芸術の秋、渋谷へGO!市川紗椰が現代アートを楽しめる最新の美術館「UESHIMA MUSEUM」をナビ
同時代の、話題のアーティストの作品がぎっしり。距離感が近く、集中して鑑賞できるのも魅力!
展示室2Fは「同時代の表現、個の表現世界」をテーマにしたパーマネントコレクションの趣き。廊下のような細長い空間の奥にはトーマス・ルフの『Substrat 7 Ⅲ』の鮮やかな色彩が。 池田亮司『data.scan [n°1b-9b]』。学校として使われていた当時、渡り廊下だった部分がデジタルアートの展示室に。暗室の中で、変化する映像に囲まれて、どこか心地よさを感じるトリップ体験をしました。 名和晃平の子鹿のオブジェ『PixCell-Sharpe's grysbok』。2023年制作の最新作を間近で見られる贅沢! ミカ・タジマ『Anima 47』。照明が暗くなるにつれ変化してゆくガラス作品は、小さな展示室に設置され、集中して対峙できる。 展示室をつなぐ階段のそれぞれの踊り場には、杉本博司の作品がさりげなく。 以前はバスケットゴールが設置されていたという広々としたスペースがあるB1F。「絵画における抽象-その開拓精神」をテーマに、大型の抽象作品を展示。 ベルナール・フリズの絵画の手前には、アニー・モリスのカラフルな彫刻作品『Stack7』。 オラファー・エリアソンの『Eye see you』。作品の発する特殊な光の下ですべての可視光が同質になる。2003年のテート・モダンでのインスタレーションを見たことがあり、ここで再会することができました。両横が鏡張りの展示室で、作品と自分自身が無限に映し出される不思議な効果を楽しむ。
トビラの奥で聞いてみた
展示室のトビラの奥で、教えてくれたのは… UESHIMA MUSEUM 館長 植島幹九郎さん 市川 植島館長がコレクションしている作品にはどんな共通点がありますか? 植島 作品自体からエネルギーを感じられるもの、表現や手法に個性があり自分にとって新しいインパクトをくれるものが多いのではないかと思います。 市川 最初から展示を目的としてコレクションを始められたのでしょうか? 植島 当初からコレクションを公開したいという想いは持っており、ウェブやSNSを通じて、日本語・英語・中国語の3カ国語で世界の人々と共有していました。作品をリアルで公開する場について考えるようになったタイミングで、自分の母校である学校法人が所有するこの建物を利用させていただけることになり、美術館という文化教育施設としてリノベーションをする計画が具体性を帯びました。約1年前から準備が始まり、プレオープンの直前に購入した展示作品もあります。 市川 2023年制作の生まれたての作品もありますね。なんてスピーディ! 植島 はい、そうした意味で同時代性があり、動き続ける美術館というテーマが明確になりました。来場者の方々の反応をダイレクトに目にして、私自身、これからコレクションしたい作品のアイディアが生まれるなど発見も多いです。感想を聞いたりコメントをいただくことが、今後の展示の上でも参考になると思っています。コレクションして終わりではなく、コレクションへの反響に応じて展示もアップデートしていき、変化のある美術館になっていくのでは。 市川 訪れるたび展示が動き続けるライブ感が素敵ですね、今後も楽しみです!