らせん回廊、吹き抜けの中央広場…昭和のショッピングモールのレガシー「カモダイ」 8月末惜しまれつつ半世紀の歴史に幕 イオン鹿児島鴨池店
鹿児島市のイオン鹿児島鴨池店が今月31日、閉店する。1975年7月、市の鴨池動物園跡地にダイエー鹿児島ショッパーズ・プラザとして開業。2015年に経営が変わり現在の店名となったが、その後も「カモダイ」の愛称で地域住民に親しまれてきた。 【写真】雨の中、ダイエーの開店を待つ行列。主婦を中心に約6000人が並んだ=1975年7月11日
開店当時、県外資本による大型商業施設は珍しく、スーパーのほか衣料品や雑貨などの専門店、飲食店が並ぶ“街”の出現に、初日は約8万人が訪れたとされる。 屋上駐車場に通じるらせん状のスロープや吹き抜けで開放感ある中央プラザなど、特徴的な建物も注目を集めた。市が市民窓口を公的施設以外で初めて設置、プロサッカーチームが屋上にフットサル場を設けるなど、にぎわいの核として存在感を放ってきた。 2000年以降は運営するダイエーの経営が傾き、イオングループへ引き継がれた。今年1月、建設から49年が経過する施設の老朽化を理由に8月末の閉店が発表されると、交流サイト(SNS)では惜しむ声が続々投稿された。跡地はイオングループが複合型施設などを視野に再開発する方針。
南日本新聞 | 鹿児島
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