広島市西区の道路陥没、復旧始まる 住民への補償に広島市長「万全にできるのではないか」
広島市西区福島町での市道陥没事故で、市は27日、現場の応急復旧工事を始めた。松井一実市長は初めて現場を視察。市が地中で進める雨水管の整備工事が原因で地盤沈下が起きた可能性が高いとし、「二度と起こらないよう適切な処置をしてもらう」と述べた。 【画像複数】復旧作業が続く陥没現場。視察する市長も 市下水道局によると、道路の陥没は東西約30メートル、南北約40メートルに広がっていることが判明。深さは最大約2メートルだった。応急復旧工事を27日午前9時に開始。陥没を埋め戻す作業は29日に終える見込みだが、一般車両の通行再開の時期は未定。 建物の傾きやひび割れなどの被害は少なくとも11棟で見つかった。現時点で倒壊の恐れはない。26日夜からの現場付近9カ所でのボーリング調査では、地中の空洞は確認されなかったという。 一方、市水道局は27日午前7時時点で、立ち入り禁止エリア内16戸で断水を確認。事故後、水の濁りに関する苦情が82件寄せられたが、26日午後7時時点で解消した。 松井市長は視察後の取材で、雨水管を整備している市道が太田川放水路の建設に伴い埋め立てられた旧福島川沿いに築かれた点に言及。関連を含めて原因を究明し、対策を取って工事を進める考えを示した。自宅が傾くなどした住民たちへの補償は「万全にできるのではないか」と語った。 事故は26日午前8時40分ごろ発生。地下30メートルを大型掘削機で掘り進めていたところ、異常に出水し、道路が陥没。路上に水があふれ出した。
中国新聞社