中川翔子が19年前に演じた平成の女子高生姿が懐かしい!自然体の演技から妖艶な一面まで多彩な演技が光る「楳図かずお恐怖劇場『絶食』」
平成時代中期に日本エンタメ界に彗星のごとく現れたオタクタレント・中川翔子。"しょこたん"の愛称で知られる彼女は、子役から芸能活動をスタートさせ、モデルやグラビアアイドルとしても活躍する一方で、圧倒的な画力とサブカル知識で、バラエティ番組を中心に大活躍。その後も、アニソン歌手や声優として活動する一方、映画、テレビ、舞台などに出演するなど多才ぶりを発揮し続け、日本屈指のタレントとして活躍中だ。 【写真を見る】中川翔子が制服姿で女子高生を好演 そんな中川が2005年に出演した映画が、敬愛してやまないと公言している漫画家・楳図かずお原作のホラー『楳図かずお恐怖劇場「絶食」』だ。 知子(上野未来)は絵を描くのが得意な女子高生。ある日、憧れの少年・あきら(辻本祐樹)に振られてしまい、落ち込む知子は、生まれて初めて乗り越えられない壁にぶち当たりながらも、「絶対に乗り越えてみせる」と自らに言い聞かせる。その夜、スキンケアのため、目をつぶっていた知子が視線を上げると、鏡にはなぜだか肥満体の見知らぬ少女が映っていた。その日を境に、自分が標準体重を上回っているという考えに囚われてしまった知子は、親友の理恵(中川)と一緒にいる時も突如、吐き気に襲われるように。理恵もあきらのことを気になっていると聞かされた知子は、驚異的な絶食の末、理想の自分を手に入れるが...。 中川が本作で演じるのは、主人公・知子と同じように絵を描くことが好きな知子の親友・理恵だ。平成時代のギャル系女子高生として描かれる理恵は、制服のスカートを短めに着こなし、イヤリングや濃いめのメイク、当時の流行を感じさせる軽い毛先の茶髪といった出で立ち。そこへ中川は軽いノリのセリフ回しで、理恵のフレンドリーな性格を表現して見せた。 また、自転車登校直後、知子に声をかけるシーンでは、学校の窓に反射していた自分の姿をぼんやりと見つめる知子に対し、「最近よく魂抜けてんね」と声をかける彼女の演技は、どこまでも自然体だ。そして、どこか元気のない知子を元気づけるために部活をサボり、ゲームセンターでダンスシミュレーションゲームをして大はしゃぎする場面でのナチュラルな笑顔も魅力的だ。しかし、ハンバーガーショップで知子に「あきらくんのこと、好きなんでしょ?」と詰め寄り、「あきらくんって、結構手が早いんだって。私、あきらくんにだったらあげてもいいなって思ってるんだよね」と、小悪魔的な笑顔を浮かべる場面も。中でも、知子の妄想シーンに登場する、あきらと抱き合い、挑発的に微笑む中川の表情は、他では見ることのできない妖艶さに満ちている。 あきらに振り向いてもらうために、絶食という過酷な手段で理想の自分を手に入れた主人公・知子。その願いは見事に叶うものの、驚きの結末が彼女を待ち受けていた。エンドロール後にも、さらなる恐怖が観る者を襲う青春ホラーを、中川の演技に注目しながら味わってみてほしい。 文=中村実香
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