中国「勝ち組エンジニア」日本移住の決め手 いまやマイバッハに乗り温泉を満喫しつつAIで起業も
郭氏は日本にはずっといるつもりとのこと。バイトダンス社で働いていた時は、休みが2週間に1度しかないほどの激務だったので、日本でゆっくりしたいのだそうだ。 時々会話に日本語を挟む郭氏は、日本各地に同年代の日本人の友達がいると話す。たとえば、千葉の九十九里浜では、一年中サーフィンをしている若者たちに出会い、友達になったという。 「彼らのライフスタイルは、週に4日はサーフィン、3日はアルバイトという感じです。結婚もせず子供も産まず、サーフィンのモーメント(一瞬)を享受しているだけ。日本は社会保障が非常に整っているので、その基礎のもとで非常に多くの自由を追求できます。ほとんどの国では望むべくもないことです」
■日本で起業してAIビジネスに傾注 郭氏が本気で日本に長期在住するつもりであることは、日本市場向けに会社を創業したことからもうかがえる。来日後、郭氏はWeb3.0などを業務とする新会社を立ち上げた。最近は経営計画を一新し、AI(人工知能)に注力することを決めた。 現在、11人の従業員を抱える。Xで社員を募集したところ、主に中国から1000通以上の応募があったという。これは決して意外ではなく、中国では景気減速が鮮明で大手テック企業もリストラの嵐が吹き荒れており、エンジニアが就職の機会を探すのに必死になっている。
郭氏が元々社員のためにツイッター(当時、現在はX)に書いた「移民指南」は100万超のアクセスを記録している。 実際に、中国人ITエンジニアが日本に移る動きが少しずつ目立つようになってきた。 ある日本のIT企業に勤める中国人女性は、「10年前ごろから中国のIT企業の発展に伴い、日本で優秀な中国人エンジニアを採用するのは難しくなってきていました。しかし、上海でロックダウンが始まった2022年4月以降には中国の名門大学でエンジニアを専攻した在校生・卒業生から応募が来るようになりました。以前にはなかったことです」と話す。