世界が称賛。新鋭・太田達成監督による現代のヴァカンス映画「石がある」
旅行会社の仕事で郊外を訪れた主人公は、川辺で水切りをしている男と出会う。彼との距離を慎重に測っていたが、いつしか二人は上流へと歩き出していた──。第73回ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品、第24回全州国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門グランプリ受賞などを果たした新鋭・太田達成監督作「石がある」が、9月6日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、ポレポレ東中野ほか全国で順次公開。ポスタービジュアルが到着した。
「途方もない無意味さに、なぜか心震えて」。 旅先での石拾い経験をもとにシナリオを書いた太田監督が、配給・公開の計画も立てぬまま、信頼する少人数のスタッフ・キャストと作り上げたのが本作。川で出会った二人がひと時を過ごす素朴な筋書きながら、心情のなびきや偶然性の豊かさを巧みに捉えていく。 ベルリンをはじめ10以上の国際映画祭に招待され、フランスの映画誌『カイエ・デュ・シネマ』では日本映画として異例のレビュー枠を獲得、韓国の映画誌『FILO』では20ページ以上の特集が組まれた。
太田監督は東京藝術大学大学院で黒沢清、諏訪敦彦に師事。修了作品「ブンデスリーガ」はPFFアワードやスペインのFILMADRIDなどに入選した。近年はスタッフとして「すべての夜を思いだす」(清原惟監督)、「Oasis」(大川景子監督)、「SUPER HAPPY FOREVER」(五十嵐耕平監督)などに参加し、「石がある」は自身初の劇場公開作となる。 メインキャストは「彼方のうた」(杉田協士監督)「PLASTIC」(宮崎大祐監督)の小川あんと、ドキュメンタリー映画「沈没家族」の監督であり演技未経験ながら抜擢された加納土。 スタッフには「すべての夜を思いだす」監督の清原惟、「夜明けのすべて」編集の大川景子、「彼方のうた」音響の黄永昌などが参加。音楽をシンガーソングライターの王舟が手掛けている。 このたび解禁されたポスタービジュアルをデザインしたのは、『ドラえもん』50周年ポスターや書籍『桃を煮るひと』(くどうれいん著、ミシマ社)を手掛けたグラフィックデザイナー/アートディレクターの脇田あすか。 意味や目的から軽やかに抜け出す「現代のヴァカンス映画」に注目だ。