阪神の金本監督、カミナリの次は、ポカリ事件!
思わず手が出た。 表現するならば、「ペシッ」、「パシッ」、或いは、「ポカリ」。 沖縄の宜野座で2日に行われた阪神キャンプ。雨が止み午後からは屋外でフリーバッティングがスタートしたが、そのゲージの裏で、金本知憲新監督(47)が、バッティング練習を終えた3年目の陽川尚将内野手(24)の頭をいきなり右手の平手で上から叩いたのだ。はたいたと言ったほうがいいか。“公開鉄拳”とでも、書くとスポーツ紙風だろうが、実質は、「おまえ、ええ加減にしろ!」というような叱咤のポカリ事件である。 なぜか? 種明かしは金本新監督がした。 「秋の陽川とまったくの別人。やってきたことが、まるっときりできておらずに違っていた。『おまえ誰やねん』『浜ちゃんに僕は陽川ですよと、言って来い!』と言ってね(はたいた)」 隣にいた浜中打撃コーチに「僕は陽川ですと言ってこい!」と冗談を飛ばしたと同時に、頭をペシっと、はたいた。金本監督流のスキンシップに陽川も、苦笑いで反応していたが、期待の若手が秋季キャンプからの継続、ステップアップをできていないのだから鉄拳が飛んだのもやむなしか。 実は、金本監督は、昨秋、高知の安芸で行われた秋季キャンプで、陽川を特別強化選手に指名。反動とぶれが目立ちパワーをロスさせていた陽川をマンツーマン指導して、反動をつかわずに腰の回転でレベルなスイングで打つ打撃フォームに修正していた。陽川も、その新打撃フォームにてごたえをつかみ、飛距離がみるみる伸びて、センターバックスクリーンを越える打球を放てるまでに変身していた。 ゆったりと間を作り、腰の回転で軸がぶれずに打つ新フォームに本人も、金本監督も「見るからに見栄えが変わってきた」と、手ごたえを感じ取っていた。 秋季キャンプ後は、台湾で開催されていたアジアウインターリーグに派遣され、特大の一発まで放ち、その成果を結果に結びつけた。金本監督は、金光大阪高出身のドラフト3位の180センチ、86キロの大型内野手に新大砲候補の一人としておおいに期待を寄せて1軍キャンプに抜擢していたのだが、この日のフリーバッティングでの陽川のスイングは、また軸がぶれ、パワーを打球に伝えることができず、生きのいい打球は飛ばなかった。