沖縄で米軍人による性暴力事件続発 市民ら嘉手納基地前で「フラワーデモ」
基地司令官は謝罪せず
繰り返されてきた米軍関係者による性暴力事件。基地の整理縮小を求めるうねりが起きた1995年の少女暴行事件、その後も2001年に空軍兵が北谷町で女性を暴行、16年はうるま市で元軍属が女性を暴行殺害、遺棄した。 8年前の県民大会の共同代表で、沖縄女性史を研究する玉城愛さん(29歳)は「体が動かなくなるようだ。悔しい」と言葉を振り絞った。多発する事件に「不安を抱えながら私たちは生活に戻る。本当に平和なのか」と問いかける。 一方、「よき隣人」の米側は沖縄の切実な心情に鈍感だ。 「ご心配をおかけしていることを遺憾に思う」。嘉手納基地第18航空団司令官のニコラス・エバンス准将は県の抗議にこう述べるだけで謝罪はしなかった。 辺野古新基地の地元の一つ、名護市久志の女性(66歳)は「ご心配なんて、バカにしている。沖縄なら何してもいいと思っているの」と怒りが収まらない。 「ワジワジー(腹が立つ)して」片道約40キロを一人でデモにやってきた。米軍人にブロック片で頭を殴られて母を殺された友人、同級生の父は強盗殺人の犠牲になった。1995年の事件は当時の職場近くで起きた。「戦後80年になるのに、捨て石は捨て石なんだね」 女性は「被害に遭った子の気持ちを考えてほしい。偉い人たちは、自分の娘や孫だったら同じことができるだろうか」と訴えた。
下地由実子・ライター