村田修一はなぜ「引退」の2文字を使わなかったのか?
「見に来て良かったなあと、(球場の)帰りに言ってもらえるようなプレーをしたい。野球は失敗するスポーツ。エラーすることもあるだろう、ゲッツーを打つこともあるだろう。でも、村田のエラー、ゲッツーを見れて良かったなあ、と言ってもらえる選手になっていきたいとずっと思っていた。小3から野球を30年間続けてきた、その集大成をみなさんにお見せしたい。体も万全の状態。いいパフォーマンスを最後まで見せたい」 男・村田は終わっていない。 「この時点で引退するという発言はない。最後まで野球をする。共に戦ってきたみんなのために最後まで」 だから引退の2文字を口にしたくはなかったのだ。 村田は、中日の松坂大輔から「まだやめて欲しくない」とエールを贈られたが、その数時間前に、彼も同じメッセージを松坂世代のリーダーに残していた。 「20年、大輔の背中を追いかけてきた。同級生とやれて幸せ。松坂らは長くプレーを続けて欲しい」 村田修一のNPBの生涯記録は、1953試合に出場、360本塁打、1123打点、1865安打。松坂世代初の2000本安打に135本届かなかった。 だが、彼は「感謝こそあれ悔いはない」と言った。