ビットコインは6万ドル以上を維持──トレーダーは小幅な利下げに警戒
ビットコイン(BTC)は一時的に6万ドルを下回ったものの、9月18日の早朝からは6万ドルを上回る水準を維持している。これは、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が利下げを発表すると予想されているアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を世界中のトレーダーが待っているためだ。 記事執筆時点では、BTCは6万300ドル付近で取引されており、過去24時間で4%近く上昇し、週足では7%以上の上昇となった。主要な暗号資産(仮想通貨)はまちまちの動きを見せ、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、ドージコイン(DOGE)は1%未満の上昇、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)、トンコイン(TON)は小幅な下落となった。幅広いコインを対象としたCoinDesk 20指数(CD20)は1.1%上昇した。 FOMCはアメリカ東部時間の18日午後2時(日本時間19日午前3時)に声明と金利を発表する予定だ。借入コストの低下は、歴史的にトレーダーの間で強気な感情を後押ししてきた。資金への安価なアクセスは、よりリスクの高いセクターの成長を急加速させる。 FF金利先物のデータによると、トレーダーたちは、金利が20年ぶりの高水準である現在の5.25%~5.5%から4.5%~5%の範囲に引き下げられる可能性を67%と見込んでいる。より大幅な金利引き下げが行われた場合は、従来の0.25%刻みではなく、金利は0.5%下がることになるだろう。 分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)のトレーダーたちは、1%と1.25%の利下げも31%の確率で起こりうると見ている。 しかし、0.5%の利下げは経済への懸念を示す兆候となり、売りを誘発する可能性があるという意見もある。 「利下げの幅は重要だ。なぜなら、異なる市場反応につながる可能性があるからだ。0.25%の利下げは市場を押し上げる可能性が高いですが、0.5%の利下げは景気後退懸念のシグナルとなり、リスク資産のより大幅な調整を引き起こす可能性がある」とCoinMarketCapのリサーチリーダー、アリス・リュー(Alice Liu)氏は、電子メールでCoinDeskに述べた。 「もし、今回の利下げが景気減速への対応と受け止められれば、将来の収益成長に対する懸念が高まり、ビットコインやその他の暗号資産が短期的に下落する可能性がある」とリュー氏は述べた。また、同氏は、アメリカ大統領選挙の後、第4四半期にはより安定した方向への転換が起こる可能性があると付け加えた。 「歴史的に、第4四半期はビットコインにとって好調な時期となることが多く、過去10年間、平均して第4四半期にはBTC価格は90.33%上昇している」と彼女は指摘した。 シンガポールで開催された「Token2049」カンファレンスでブルームバーグの取材に応じたスカイブリッジ・キャピタル(SkyBridge Capital)の創設者兼マネージングパートナーのアンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏は、アメリカにおける金利引き下げと暗号資産に関するより明確なルールにより、ビットコインが過去最高値を更新すると予測していると述べた。スカラムッチ氏は、次のFOMCで1.5%の金利引き下げが行われる可能性があると予測している。 暗号資産の他の分野では、スイ(SUI)が7%以上上昇した。これは、プラットフォーム上でUSDコイン(USDC)が立ち上げられたことや、サークル(Circle)がSUIでのクロスチェーンフローを可能にするクロスチェーン転送プロトコル(CCTP)を有効にしたことなど、市場のポジティブなセンチメントが継続していることが背景にある。 一方、Token2049では、サークルがポリマーケットと契約を締結し、サークルのインフラをこの予測市場プラットフォームに統合するために協力すると発表しました。これにはCCTPも含まれている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Holds Above $60K as Traders Warn of Sell-Off on 50 Basis Point Fed Rate Cut
CoinDesk Japan 編集部