【続報】新型コロナ防護服キャンセル 長野地裁「県の都合で一方的に前言を翻した」 県の落ち度認め約6700万円の支払い命じる 県から8万着注文、その後、担当者から「3万着に変更したい」 県「不備があった認識はない」
県の落ち度を認めました。長野県が新型コロナの防護服を発注した後、一部をキャンセルしたことから大量の在庫を抱えたとして松本市の会社が1億4000万円の賠償を求めて県を提訴。裁判所は県の落ち度を認め約6700万円の支払いを命じました。 訴訟にまで発展した防護服購入を巡るトラブル。訴えたのは松本市の婦人服製造・販売の「カタセ」です。 訴状などによりますと、2020年4月、新型コロナ対策として県から防護服8万着の注文を受けましたが、5月になって県の担当者から「3万着に変更したい」と連絡を受けました。 既に輸入先の中国の企業に送金していて、キャンセル5万着のうち3万着を在庫で抱えたとしています。 防護服は1着4500円。「カタセ」は3万着の代金など約1億4000万円の支払いを県に求めていました。 長野地裁は「当時の副知事が交渉し、契約を準備していることを示す文書も出しているのに県の都合で一方的に前言を翻した」として県の落ち度を認めました。 その上で過失の割合などから県に約6700万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。 判決を受けて、阿部知事は次のようにコメントしています。 「本日、長野地方裁判所において、防護服売買代金等請求事件の判決があった。原告の主位的請求は棄却されたものの、予備的請求に対する県の主張が一部裁判所に認められず、6717万927円の支払いが命じられた。判決文の内容を詳細に検討し、訴訟代理人とも相談して、今後の対応を判断したい」 また、県消防課の市村敏実課長補佐は「(当時は)状況が変化する中で可能な限り情報共有や収集したが、結果として数量を変えたので(県に)不備があったという認識でなく、やむを得ない判断、決定」と述べました。 一方、カタセは、「裁判は弁護士に一任している。会社としてコメントはない」としています。