赤い防虫ネットで農薬回数半分に アスパラ栽培で秋田県農試が実証
秋田県農業試験場は、アスパラガスの半促成栽培で赤色防虫ネットを展張すると、ネギアザミウマの侵入を抑えて薬剤散布の回数を約半分に減らせることを確かめた。散布回数を減らしても、収穫物の被害は十分に抑えられていた。安定生産と省力化につながる技術だとしている。 赤色防虫ネットは、通常の白色のネットに比べて、アザミウマを防ぐ効果が高いとされる。視覚的な効果で侵入しにくくなると考えられている。同試験場は、目合い0・8ミリの赤色防虫ネットをハウスの側面や妻面、出入り口に展張。4~9月収穫の半促成栽培で効果を調べた。 慣行栽培では、防虫ネットは張らず、だいたい2週間に1度の薬剤散布でネギアザミウマを防除する。赤色防虫ネットを展張すると、大仙市での試験では散布回数を5回から3回に、にかほ市での試験では6回から3回に減らせた。薬剤は、ネギアザミウマの1回目の急増期に当たる6月下旬に散布。以降は、収穫物への被害が確認された時期に散布した。 粘着板による誘殺調査でも、赤色ネットを張ったハウスの方が、ネギアザミウマの侵入量が減っていることが確認できた。アスパラガスの茎葉への被害率も抑えられていた。 留意点として、害虫の発生源となる周辺の雑草を定期的に除草する、通気性が悪くなって病害が出やすくなる可能性があるため立茎本数を適切に保つ──などを挙げている。