熊本市の水道管、4分の1が「老朽化」 耐用年数の40年をオーバー 漏水や破損のリスク高まる
熊本市は23日、市内に張り巡らせた水道管の約4分の1が、地方公営企業法で定める耐用年数の40年を過ぎていると明らかにした。60年を過ぎた水道管も1割に迫っており、水道インフラの深刻な老朽化が浮き彫りになった。 市上下水道局によると今年3月末時点で、水道管の総延長3615キロのうち40年超が24・7%の894キロ、60年超が8・2%の295キロだった。法定耐用年数を超えても使用はできるが、漏水や破損などのリスクが高まるという。 上下水道局は計画的に水道管の更新を進めているが、過去10年間の更新率は平均で0・58%。特に近年は物価高騰による資材や人件費の上昇などで、2022年度0・42%、23年度0・35%と低下傾向にある。 水道管の更新に充てる主要財源の一つが水道料金だが、人口減などで料金収入の減少が見込まれている。この日、上下水道局が有識者による審議会で示した今後の経営戦略案では「効率的な事業運営で事業費の増加を抑制する」と明記。料金の検討も必要だとした。
全国の水道の多くは1960~70年代の高度経済成長期に整備が進んだ。このため各地で水道管が法定耐用年数を超え、更新が課題になっている。(臼杵大介)