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エチオピアのフランキンセンスの木が絶滅の危機に瀕している。 その大きな要因となっているのが、先進国のウェルネス産業やインフルエンサーらによって促されたフランキンセンス・ブームだと、英紙「ガーディアン」が報じている。 【画像】フランキンセンスの採取業者は極貧！「「数日間の労働に対して、収入はわずか5ポンド（約950円）」 フランキンセンス（​​乳香）は、カンラン科ボスウェリア属の樹木から採取される固形の樹脂で、抗炎症作用に優れており、老化防止クリームやオイル、また高級香水の重要な成分となっている。 そんな「神聖で高貴な香り」や「若返りのオイル」として宣伝されているものは、決して安価ではないにも関わらず、近年需要が急増している。

「エシカルでサステイナブル」なんて大ウソ？

フランキンセンスは紀元前より薫香に用いられ、古代の王族や貴族社会において、それは金に値する特別な貿易品目だった。 その樹木は、中東やアフリカ大陸などの比較的温暖で「乾燥した岩だらけの地域」に自生しており、種や産地により色や芳香は異なる。なかでも透明感、そして硬度があるものほど良質であるとされており、いまも最高級品として高値で取引されている。 ただ、この種の樹木は増やすのが難しく、近年の需要の急増により、このままでは持続不可能だと懸念されている。 特に過剰収穫が深刻なのがエチオピアやソマリアで、実際にはその管理や採取のプロセス自体にも大きな欠陥があると、同紙は述べている。 採油方法は、木の皮をうすく削いで、表面からにじみ出る小さな樹脂や樹液の塊を集めるというもので、それが短期間に過剰に行われると、つまり乱獲が増えると「木は弱り、害虫、病気に対して脆弱になる」。 しかし、エチオピア北部の村では、干ばつや紛争、経済的苦境から、違法に木の皮を剥ぎ、樹脂を盗む者が増えているという。とはいえ、かなり辺鄙な場所に自生する樹木が多く、管理は一筋縄ではいかないようだ。 そもそも、現在のエチオピアに保全活動を促す余裕はない。 ある研究によれば、2060年までにフランキンセンスの木の最大90％が消滅する可能性があり、樹脂の生産量は今後20年間で半減すると予想されている。