変形性膝関節症はどんな痛み・症状で診断されるかご存じですか? 原因や治療も解説
膝が痛くなり、放っておくと関節がどんどん変形していく「変形性膝関節症」は、何が原因で、どんな人が患いやすいのでしょうか? そこで変形性膝関節症について、病態や原因、治療法などを整形外科医の北里精一朗先生(北里整形外科クリニック院長)にMedical DOC編集部が聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
変形性膝関節症とはどんな病気? ひざの痛み以外の症状・原因も知りたい 高齢でなくても20~30代で発症することはある?
編集部: 変形性膝関節症とはどんな病気ですか? 北里先生: 膝関節を滑らかに動かす役割をしている「軟骨」がすり減って、痛みや動かしにくさを引き起こす病気です。初期は痛みや動かしにくさのみのことが多いのですが、進行すると、腫れが生じたり、関節そのものが変形したりするのでこのような名前がついています。 編集部: 痛みだけではないのですね? 北里先生: 初期は「立ち上がりや動き始めにちょっと痛むだけ」という方が多いのですが、その後動かしにくさや動作時の異音(関節内でのクリック音やカチカチ音)などが伴ってきます。さらに、水が溜まってきて関節が大きく腫れたり、O脚やX脚などに変形したりしていきます。 編集部: 変形性膝関節症の原因は何ですか? 北里先生: 「変形性関節症」は膝関節だけではなく手足の指などにも起こりますが、とくに膝関節や股関節などの荷重関節に多く、やはり「荷重」と深い関係があるとされています。 肥満や長時間の立ち仕事、立ちしゃがみの多い生活習慣などの過度な負荷は変形性膝関節症の要因とされていますし、ほかにも、遺伝的要因も関与していると言われています。男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢になるほど罹患率は高くなっています。 編集部: 20~30代で発症することはありますか? 北里先生: 稀ではありますが、20~30代で発症する方もいらっしゃいます。先ほどの荷重負荷や遺伝的要因に加え、スポーツなどで外傷の既往がある方だったり、骨や軟骨に何らかの先天的要因があったりする方は、若くても発症しやすいと思います。