日本でも定着?新宿区が自転車シェアリング開始 港など5区内貸し借り可能に
10月1日、東京都新宿区は自転車シェアリング事業を開始しました。自転車シェアリングは、環境意識の高まりを受けて各地の自治体で導入が相次いでいます。新宿区が始めた自転車シェアリングが、これまでのシステムと大きく異なるのは、新宿区で借りた自転車を千代田区や港区など、ほかの自治体で返却することができる点です。 自治体の垣根を超えた広域相互利用の導入によって、自転車シェアリングは一般的にも普及していくことが予想されます。厳密には、自転車は公共交通とは言えませんが、近年はこうした自転車シェアリング事業などによって自転車は“公共交通”を補完する新たな移動手段として注目を浴びるようになってきています。 他都市と比べても、東京は鉄道をはじめバスといった公共交通網が充実しています。そんな公共交通先進都市・東京でも自転車利用が促進されるようになっているのです。
新宿・千代田・港・中央・江東5区内で自転車の貸し借り可能
10月1日から新宿区が開始した自転車シェアリング事業は、新宿区で借りた自転車を千代田区・港区・中央区・江東区の5区内ならば、どこでも自由に返却できるシステムを採用しています。逆に、江東区で借りた自転車を新宿区で返すこともできます。利用者は24時間、好きな時間に利用することが可能です。 自転車シェアリングは、これまでにも地方自治体が独自に取り組んできました。都内でも世田谷区や江戸川区などが自転車シェアリングを実施しています。しかし、世田谷区も江戸川区も区の単独事業にとどまっており、自治体の垣根を越えていません。 今回の自転車シェアリングの目玉は、何と言っても自治体の垣根を越えて利用できるところにあります。自転車シェアリングの広域相互利用が導入された背景について、都環境局地球環境エネルギー部環境都市づくり課の担当者は、こう話します。 「自転車はCO2の削減からも、非常に有効な乗り物です。そうした観点からも、都は以前から利用促進に努めていました。特に、観光などで街を細かく移動する手段として自転車は有効ですし、ビジネスシーンでも近隣の取引先に書類を届けに行く、事務用品を買いに行くといったちょっとした用事で使うことは頻繁にあります。東京23区の地域特性から見ても、区をまたいで移動することは決して珍しくありません。そうしたことから、都は区の垣根を越えて自転車をシェアできる、広域相互利用に取り組んでいるのです。」