「公開裁判の原則の趣旨に反する」弁護士チームが検証結果公表 横浜市教育委のわいせつ事件裁判での組織的動員問題
横浜市教育委員会が、教員による児童・生徒へのわいせつ事件の裁判に職員を組織的に動員していた問題で、弁護士によるチームが26日、検証結果をまとめ、動員は「公開裁判の原則の趣旨に反する」と結論づけました。 この問題は、2018年と2023年に4件発覚した横浜市の教員による児童・生徒へのわいせつ事件をめぐり、計11回行われた裁判の際に、横浜市教育委員会が職員を組織的に動員して傍聴させていたもので、これらの裁判では一般の人が傍聴できなくなることもありました。 この問題について、26日午後、弁護士チームによる検証結果が公表され、動員の目的については「身内の擁護や不祥事の隠ぺいを目的とされたものではない」としました。 また、多くの関係者が「児童・生徒の2次被害を防ぐためだった」と言及しているものの、4事件のうち3件では動員について保護者らへの意向の確認が十分にされたとはいえず、むしろ児童生徒への支援の意向がないがしろにされたと指摘しました。その結果、児童相談所職員や児童生徒の関係者が傍聴できなかったこともあったということです。 こうした動員について、弁護士チームは「憲法の公開裁判の原則の趣旨に反する」とした上で「教育委員会の職務であるとは到底いえない」と結論づけました。 弁護士チームは、児童・生徒のプライバシーを組織的動員というかたちで保護しようした市教委の対応を批判した上で、組織的動員の責任は意思決定をした前教育長と学校教育事務所の所長らにあるとしています。