【高校野球】2026年度から夏の南北北海道大会地区予選廃止決定…出場校数の減少に歯止めがかからず
北海道高野連は15日、札幌市内で理事会を開催し、夏の南北北海道大会出場校を決める地区予選の廃止を正式決定した。26年夏から他都府県同様に南、北それぞれ1つのトーナメントにする(春と秋はこれまで通り地区予選を行う)。1~2回戦までは同地区同士の対戦となるが、組み合わせ次第では3回戦から他地区の学校とも試合をする。32校(チーム)が進出する3回戦から5回戦(準々決勝)まで北は旭川、帯広、南は札幌、函館で開催する。 道高野連が大改革に踏み切る。夏は全国49地区のうち、北海道の2地区のみで行われてきた「予選」。移動距離などを考慮して全道10地区での予選を経て南、北大会に出場する各16校(チーム)を決めてきたが、出場校数の減少に歯止めがかからないことで2年前から協議が進められてきた。 最大の要因となったのは地区間の格差だ。来年度に3枠が与えられる北見地区では1勝で北大会出場のブロックが生まれる見込みの一方、旭川地区では3勝が必要なブロックも今夏はあった。地区突破までに最大2勝の差が発生する可能性があり、格差是正が必要だった。また、1枠が続く小樽、名寄では近年、地区を突破する学校が限定されていた。上位回戦進出の機会を平等に与えるため、新方式では1地区で最低6チームが出場すれば、他地区と対戦可能な3回戦に3チーム以上が進める方向で検討されている。 当初は来年度からの稼働を目指していたが、南は札幌(円山改修のため、26年度はモエレ沼を予定)、函館オーシャン、北は旭川スタルヒン、帯広の森の各2会場で開催することもあり、課題が頻発。宿泊や移動の費用だけでなく、審判の配置などでさらなる議論が必要なため来年度の開催を見送った。 今後は大会運営や抽選方法などについても協議を進めていく。横山泰之専務理事は「今の方式ができなくなってからでは遅いという危機感がある。日々状況が変わるので変えていかないといけない。批判も承知の上で。部員数が減少している公立高校でも上の回戦に行こうというモチベーションになってほしいと思っている」と話した。 (島山 知房) 〇…来年から3年間、南北ともに準決勝、決勝をエスコンで開催することが決まった。23年に同球場で初めて高校野球の公式戦が行われ、今夏は南大会のみ実施。北大会は旭川スタルヒンで全試合が行われたが、大会後のアンケートで北地区の9割の選手、6割弱の指導者が希望したことや財源確保の面からエスコンでの開催が決まった。第110回の記念大会となる28年の開催地は27年に決定する。 クラーク・佐々木啓司監督「運営費、派遣費を学校で出せるかどうかがポイント。準決勝くらいまでいったら100万円くらいかかるんじゃないの。その内容を解決できるかが大きな山じゃないかな」 鵡川・小池啓之監督「10年以上前から夏の選手権だけはフリー抽選にしようと言っていた。各地でいい球場ができて、交通網も昔とは違う。(新方式は)大歓迎」 旭川実・岡本大輔監督「我々は普段北北海道大会を旭川で開催してもらってるので、宿泊とかお金の部分をどうクリアするのかが心配。ちびっ子野球をやったりしているので、うまく野球人口増加につながってくれたら」
報知新聞社