「燃える男」星野仙一がただ一度だけ土下座した「日本シリーズ」の「衝撃の真相」
「ユニフォームは戦闘服」
「そのシーズンに限らずですが、それくらい一生懸命に戦っていたと思います。選手にもいつも『野球は趣味じゃないぞ。仕事で俺たちはやっているんだぞ』という話から入っていく。試合に負けて、軽い気持ちで『明日、明日』で終わっていたら強くなれない。反省会も『1日に置くと、みんな言い訳を考えて来る。負けた直後の気持ちや考えを引き出さないといかん』と試合後すぐに行っていました。 鉄拳制裁ばかりが取り上げられましたが、実際にはそうやって言葉でも説いていました」 そんな情熱が余って手が出たケースもあったが、星野さんはチームを戦う集団へと変えていった。 「今の立浪監督も星野監督に『ユニフォームってなにかわかるか? 戦闘服だからな』と言われたことが、ずっと頭にこびりついていますと話しています。 でも、さすがにもう鉄拳はダメだけど、少し厳しくするとSNSなどで騒がれる。コンディションを重視して試合を休ませたりすることも大事なんでしょうけど、あんまり過保護になるのもどうか。立浪監督も思っていることの半分もできていないんじゃないかな」 4月に首位に立ったときのような勢いこそないが、星野さんによって培われた立浪監督の闘争心が褪せることは、微塵もない。 後編記事 『「ずっと野球と恋愛してきてよかった。もっともっと野球に恋をしたい」...「闘将」星野仙一が、すい臓がんでも抗がん剤を拒んだ「涙の理由」』では、楽天の日本一秘話、星野さんの闘将らしい壮絶な最期を、懐刀だった早川実氏が明かす。
週刊現代(講談社)/鷲崎文彦