「固定金利」と「変動金利」、今ならどちらを選ぶのが正解?
日本銀行は「今後も段階的に金利を引き上げていくことが必要」としている(写真:yama1221/PIXTA)
いよいよ「金利のある世界」に戻った日本マーケットだが、シニア世代でもなければ「金利上昇」をきちんと理解できていない投資家が多いはず。そこで、金融ジャーナリストの鈴木雅光氏が徹底解説します。 連載「マネー博士が徹底解説 金利上昇に強くなる!」 の第2回は住宅ローン保有者必見、「固定金利」と「変動金利」について学びます。8月8日、日本銀行は7月30~31日に開催された金融政策決定会合における主な意見を公表しました。 このうち「金融政策運営に関する意見」に関して、「2025年度後半の『物価安定の目標』実現を前提とすると、そこに向けて、政策金利を中立金利まで引き上げていくべきである。中立金利は最低でも1%程度とみているが、急ピッチの利上げを避けるためには、経済・物価の反応を確認しつつ、適時かつ段階的に利上げしていくことが必要である」と書かれています。 政策金利とは、「無担保コール翌日物金利」を指しています。 そして中立金利は、景気に対して緩和的でも引き締め的でもない、文字通り中立的な金利水準という意味です。 日銀は今回の金融政策決定会合で、それ以前は0~0.1%としていた政策金利を、0.25%に引き上げました。その結果、外国為替市場では急激な円高が進み、株価は過去最大の下落幅を記録したわけですが、日銀は最低でも政策金利を1%まで引き上げると言っています。 政策金利である無担保コール翌日物金利が1%だったのは、いつのことでしょうか。過去のデータを探してみると、月平均で1%前後だったのは1995年6月の1.28%と、同年7月の0.95%です。そこから無担保コール翌日物金利は低下の一途をたどり、2016年3月には▲0.003%とマイナス金利へと転じました。
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鈴木 雅光