隙だらけだったヤ軍、弱点を徹底的に洗い出したド軍 WSで現れた両者の“差”
第5戦で5点リードの5回に起きたミス連発は「WS屈指の酷さ」
今年のワールドシリーズは、ドジャースが4勝1敗でヤンキースを破った。名門対決の明暗を分けた要因の1つに、ドジャースの綿密なスカウティングがあったという。ヤンキースを徹底研究し、選手がそれを実践したと米専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」が伝えている。 【映像】大谷翔平と大舞台に登場も…真美子夫人がド緊張「可愛すぎませんか?」 記事は米紙「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン氏による記事を引用する形で展開。ドジャースがミーティングで選手に伝えたのは、シャーマン氏によると「ヤンキースがプレーの基本よりも選手の才能を重視するチームだということだった」という。 「意図を持って果敢に走塁すればヤンキースは墓穴を掘ると選手たちに伝えた」としている。さらに「ヤンキースにプレー遂行を強いるためにボールをインプレーにすることに非常に価値があるということも伝えた。ミーティングで選手たちに、ヤンキースがどの指標を見てもメジャーで最も走塁が酷いチームだということにも言及した」とも述べている。 記事は「ワールドシリーズでは、その言葉すべてが正しかった」と指摘し、具体例に言及した。第1戦で大谷翔平投手が8回に二塁打を放った際、右翼手のフアン・ソト外野手が二塁へ悪送球。大谷は三塁に進み、ムーキー・ベッツ内野手の犠飛で同点のホームを踏んだ。その後、延長10回にフレディ・フリーマン内野手の逆転サヨナラ満塁本塁打で、ドジャースが先勝した。 第3戦では、足が速くないジャンカルロ・スタントン外野手が、左翼手のテオスカー・ヘルナンデスの本塁送球でアウトになった。このプレーを「ヤンキースのお粗末な走塁が露呈」と評した。第4戦では二塁走者のアンソニー・ボルピー内野手が、オースティン・ウェルズの捕手の中堅フェンス直撃二塁打でホームインできなかったことに言及した。 そして第5戦では5点リードの5回に起きた“悪夢の守乱”に言及。アーロン・ジャッジ外野手の落球、ボルピーの悪送球、ゲリット・コール投手が一塁ベースカバーを怠るなどミスの連続で同点に追いつかれた。「1イニングの守備としてはワールドシリーズ史上屈指の酷さ」と断じている。 記事は「ドジャースは正しかった。ヤンキースは確かに自分で自分の邪魔をして、ドジャースがパレードを行う道を整えてしまった」と締めている。ヤンキースの弱点を把握していたドジャース、隙があったヤンキース。ドジャースの世界一は必然だったのかもしれない。
Full-Count編集部