「早く開錠を!」 津波警報出ているのに…鍵を開けない・扉や窓破損も… “避難所運営”に混乱 行動見直しへ【新潟発】
能登半島地震で新潟市では避難所をめぐるトラブルが相次いだ。地域住民の命を守るため開設される避難所。改めてその運営マニュアルの確認やそれぞれが取るべき行動の見直しが求められる。 【画像】津波警報出る中…避難所に来たのに入れない!? 一部の避難所で一体何があったのか…
津波警報で新潟市に避難指示
元日の地震で震度5強を観測した新潟市。津波警報も発表され、市は秋葉区と南区を除く全ての区に避難指示を出した。 これに伴い、各地域では避難所が開設され、一時、市内250カ所以上の避難所に1万4000人を超える住民が避難した。
避難所開設の協力者 避難所の鍵開けず…
新潟市中央区の上所小学校も地域の避難所として多くの住民が避難したが、その避難所開設の協力者となっていた住民2人が到着しても当初、避難所の鍵を開けなかったことがわかった。 2人は複数の避難者が「早く開設すべき」などと促したものの応じなかったという。 その後、遅れて駆け付けた学校関係者が鍵を開け、避難者の受け入れが始まった。
市によると、2人は到着時に避難者が並んでいる状況で「避難所を開けると殺到し、転倒などケガにつながる恐れがあると判断した」と話していたという。 このほか、新潟市では7カ所の学校で避難者が到着しても鍵が開いておらず、扉や窓を破損し、避難する事案も発生している。
避難所開設を巡っては過去にも…
新潟市は避難所の運営マニュアルを作成していて、その中では施設が被災して危険がある場合などを除き、地域の協力者などが速やかに避難所の鍵を開けることが定められている。 災害時の避難所運営では過去にも…
避難者(2019年): 「逃げなきゃ」と思ってとりあえず来たけど、開いていない 2019年に発生した山形県沖を震源とする地震の際にも避難者がいるにも関わらず、避難所がすぐに開かれないなど課題が浮き彫りになっていた。
運営マニュアルの確認・行動の見直しを
新潟市の小柳健道危機管理監は「混乱した中で判断を誤った部分があったと思う。避難は命にかかわることなので、今後迅速に開けられるように再度マニュアルの徹底をしていきたい」と話した。 一方、新潟市は避難する際、万が一、避難所の鍵が開いていなかった場合、ケガなどに注意しながら窓ガラスなどを破って逃げるよう呼びかけている。 いつ起こるかわからない災害に備え、それぞれ取るべき行動の見直しが求められる。