日産、タイ従業員1000人を削減・配置転換 生産集約へ=関係者
Maki Shiraki [東京 22日 ロイター] - 日産自動車は東南アジア最大の生産・輸出拠点であるタイの従業員約1000人について、2025年秋までに人員削減と配置転換を実施する方針を固めた。2つある完成車工場での生産を一部集約する。日産関係者2人が明らかにした。 同社は世界全体で約9000人の人員を削減する計画を公表しており、タイでの生産適正化に伴う人員体制見直しもこの一環となる。 日産はタイに第1と第2の完成車工場を持ち、タイ国内に出荷しているほか、輸出もしている。いずれも閉鎖はしないが、第1工場での生産を一部取り止め、第2工場に集約する。関係者2人によると、これに伴い、従業員の削減や配置転換を行うが、削減人数などの詳細は今後決める。かつての最大生産能力は第1工場が約22万台、第2工場が15万台だった。 日産広報は、従業員の削減や配置転換についてはコメントを控えたが、数年前から実施しているアセアン事業見直しの一環として「タイにある第1工場の一部の車両生産を第2工場に集約し、設備の更新を進めている」と説明。「第1工場は今後もタイにおける主要な拠点として稼働する」と語った。 同社によると、23年度のタイ販売は前年比30%減の1万4000台だった。タイの第1工場では現在、小型セダン「アルメーラ」やスポーツ多目的車(SUV)「キックス」、第2工場ではピックアップトラック「NP300ナバラ」やSUV「テラ」を生産。キックスはフィリピンなど東南アジアを中心に、テラは中東・アフリカなどに輸出されている。 同社は21日、米国でも24年4━9月期にかけて募集した希望退職に対し、従業員の約6%が応募したことを明らかにした。広報担当者は数百人規模に相当すると説明した。。 7日に発表した24年4━9月期決算では、純利益が前年同期比93.5%減の192億円だった。業績・販売不振を受け、世界で500万台程度ある生産能力を20%削減、人員も9000人減らすことを発表。費用の算定が困難とし、3000億円を予想していた25年3月期の純損益予想を取り下げた。