東京都渋谷区、前代未聞の「タワマン戦争」勃発だが…ほかにもある、夢のタワマンライフを襲った「こんなはずじゃなかった」問題を検証
大枚をはたいて購入した、憧れのタワマン。素晴らしい眺望や高い利便性など、購入を決断した要素はさまざまあるだろうが、もしもそれら突然「なかったこと」にされてしまったら…? 購入者としてはたまったものではないはずだ。だが、実際にはそのような事態は頻繁に発生しており、いらだちを募らせる入居者は少なくない。そんな不幸な事態を回避する方法はないのだろうか? 過去の事例から検証する。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
渋谷で勃発した「タワマン戦争」が話題だが…
渋谷で前代未聞の「タワマン戦争」が勃発している。新しく建つタワマンに隣接する既存タワマン住民が、渋谷区を相手に「計画中止」の訴えを起こしているのだ。 実際このような訴えが受け入れられるのか、今後の進捗が気になるところだ。大枚をはたいて購入した夢のタワマンライフが第三者によって侵害されることは許されないことと誰もが思うだろう。しかしそのようなトラブルは多々起こっている。 これらを回避することはできるのだろうか。過去の「こんなはずじゃなかった」事例を基に検証する。
数億円の負債につながる「こんなはずじゃなかった」
年末になると「ふるさと納税」に絡む広告が頻繁に見られるようになる。それに併せてネットニュースでは「返礼品のミカンが傷んでいた」とか「カニの身がほとんど入っていなかった」などのネガティブキャンペーンも始まる。 そんな欠陥商品が贈られてきたら、到着を心待ちにしていた消費者は「こんなはずじゃなかったのに…」と大きなショックを受けることだろう。 しかしこれらは数万円程度の負債に対するトラブルの話。実は「一生に一度の買物」といわれる不動産売買でも似たようなトラブルが起きている。これが億超のタワーマンション(以下、タワマン)にかかわるトラブルとなれば大問題だ。
(1)「眺望シャットアウト」問題
リビングから「花火が見える」や「富士山が見える」ことを条件にマイホーム探しをしている人は意外と多い。自宅から望む雄大な眺望は、日々の疲れをすっかり癒してくれるに違いない。タワマン所有者も然り、都市を見晴らすパノラマビューを求めて購入を決めている。 煌びやかな夜景を望むタワマン最上階のペントハウスを購入したAさんは、営業担当者から「この素晴らしい景色を遮る建物は建ちませんよ」と勧められて契約を結んだ。 しかし数年後、自宅タワマンより背の高いオフィスビル建設計画が隣地で決定してしまった。購入前の営業マンの説明は嘘だったのか。竣工すればAさんの住まいは眺望を奪われ、加えて物件価値も大きく下がることになる。