米国株「完全メルトアップ」確率上昇、FRB利下げで-ヤルデニ氏
(ブルームバーグ): 先週決定された0.5ポイントの米利下げが追い風となり、米国株は新たな最高値を更新する可能性があるが、当局が慎重に歩みを進めなければインフレ再燃の恐れもあると、ウォール街のストラテジスト、エド・ヤルデニ氏が指摘した。
1995年から1999年末までにS&P500種株価指数が220%上昇したドットコムバブルのように株価が「完全メルトアップ」となる確率は、今回の政策決定によって30%と、これまでの20%から上昇した。
インフレや地政学的緊張による不安定性に世界の株式市場が支配された1970年代のような展開も20%の確率で想定する一方、強気相場となる確率は80%とした。
ただもし状況が過熱し始めた場合には広範なリスクある。
ヤルデニ・リサーチの創設者であるヤルデニ氏は23日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「もし経済が過熱し、株式市場にバブルを引き起こせば、問題が生じてくる」と語った。
また、民主、共和両党の大統領候補はインフレを招きかねない政策を提案しており、米金融当局は11月の大統領選を軽視しているとの見方を示した。
同氏は市場について、生産性や成長、大幅な株式リターンを特徴とする、新たな「狂騒の20年代」にあるという自身の考えをあらためて強調した。ただそうしたシナリオの確率は50%と、従来の60%から低下したと述べた。
ウォール街有数の強気派であるヤルデニ氏は、ストラテジスト対象の最新のブルームバーグ調査でS&P500種目標を5800としている。
原題:Yardeni Says Fed Cut Raises Odds of ‘Outright Melt-Up’ in Stocks(抜粋)
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Alexandra Semenova