『レ・ミゼラブル』1987年初演メンバーからの貴重な証言も 休館を前に「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」発刊決定
帝国劇場(帝劇)が、建て替えのため2025年2月より休館する。1966年の開場以来、演劇、ミュージカル、歌舞伎と、350を超える演目(再演を除く)を上演、地下6階からの舞台機構、大きな舞台袖を擁する、どのような脚本でも舞台化できる懐の深い劇場として親しまれた。その休館を前に、スタッフたちの挑戦、また、やがて開場する新たな帝劇の未来に光をあてる公式書籍「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」が発刊されることが決定した。 【全ての画像】「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」俳優・クリエイターの写真ほか 2024年12月発刊予定の「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」は、191名の俳優・クリエイター(菊田一夫ら、東宝に所属していたクリエイターも紹介、ただし191名のカウントには含まず)を紹介、帝劇の内外観の美しい写真と俳優・クリエイターの証言で織り成す、356ページにおよぶ記録だ。忘れられない名舞台を演じた俳優、革新的な舞台創りに挑んできたクリエイターたちが明かす帝国劇場の想い出に、未来の帝劇への思い。また、伝説をつくったいまは亡き俳優・クリエイターに関する仲間たちの生の証言が詰まった、豪華な一冊といえる。 その巻頭に登場するのは、1992年に『ミス・サイゴン』日本初演から足かけ30年にわたりエンジニア役を演じた市村正親、2000年の『SHOCK』に21歳で史上最年少座長として主演、帝劇で演劇単独主演記録1位を達成した堂本光一、2000年に『エリザベート』でルドルフ役を演じその後数々の帝劇初演作で主役を演じてきた井上芳雄の3人。帝劇の屋上での座談会が実現した。市村は別ページで『ミス・サイゴン』初演時の本田美奈子.との思い出も語っている。 また、「松本白鸚が1969年から演じた『ラ・マンチャの男』の軌跡」として、松たか子、駒田一らが証言。 『レ・ミゼラブル』に関しては、1987年の初演にジャン・バルジャンを演じた滝田栄、同じくジャベールを演じた鹿賀丈史が登場。23年ぶりに帝劇の稽古場を訪れた滝田と、ファンティーヌ役岩崎宏美および島田歌穂が、初演から現在まで音楽監督を務める山口琇也と23年ぶりの再会を果たし、初演の苦闘を語りあう。 いっぽうの鹿賀は、2024-2025公演でジャン・バルジャンを演じる吉原光夫、佐藤隆紀、飯田洋輔らとの対話が実現した。さらには、オリジナル版潤色・演出のジョン・ケアード、初演マリウス役の野口五郎、同じくコゼット役の斉藤由貴との同窓会、1997年以来長きにわたりマダム・テナルディエを演じてきた森久美子、エポニーヌ、ファンティーヌを演じた知念里奈、コゼットとエポニーヌを経験後、2024-2025公演でファンティーヌに挑む生田絵梨花の座談会、オリジナル・プロデューサーのサー・キャメロン・マッキントッシュの書き下ろし手記なども掲載。各座談会では、訳詞を手掛けた岩谷時子、演出アシスタントの垣ケ原美枝といった、『レ・ミゼラブル』に携わった故人の思い出ほか、様々な話題が飛び出す。