「フリーダム」をスローガンに掲げるハリス氏、中絶の権利擁護を柱に女性から強い支持…終盤は「反トランプ票」固めに奔走
【ワシントン=池田慶太】米民主党のハリス副大統領は、人工妊娠中絶の権利擁護を政策の柱に据えて選挙戦を戦った。共和党のトランプ前大統領については民主主義の脅威と位置づけ、「反トランプ票」の結集を図った。
ハリス氏は7月に大統領候補に名乗りを上げて以降、「フリーダム(自由)」をスローガンに掲げた。トランプ氏が在任中、中絶の規制強化を進めたことを踏まえ、女性の権利と自由を守る立場を明確にするためだ。こうした主張は女性の共感を呼び、女性支持ではトランプ氏を大きくリードした。
一方、ハリス氏は、女性、黒人、アジア系という属性を極力アピールしない選挙運動を貫いた。2016年の大統領選でヒラリー・クリントン氏が女性という属性を前面に押し出した結果、男性の支持を遠ざけた教訓を踏まえたとみられる。それでもオバマ元大統領以来となる黒人の立候補は、民主党の黒人支持層の熱狂を呼んだ。
ハリス氏は分断と混乱の「トランプ時代」からの決別を訴え、党派を超えた支持の取り付けに奔走した。穏健な共和党員や無党派層にはトランプ氏の政治手法への反感が強い。選挙戦終盤には反トランプを掲げる共和党の元下院議員らと集会を開き、国民の結束に取り組む姿勢をアピールした。