広島・新井監督、2年ぶり本塁打の松山を〝さん〟付けで絶賛
(セ・リーグ、広島4-1DeNA、7回戦、広島4勝3敗、4日、マツダ)打った瞬間、バットをほうり投げると右拳を力強く突き上げた。鯉の季節にこいのぼりがたなびくマツダスタジアム。2年ぶりの〝アンパンチ〟でチームを最下位脱出へ導いた鯉のアンパンマンこと広島・松山が、お立ち台で決めぜりふを叫んだ。 「鹿児島のばあちゃん、天国のじいちゃん、俺、やったよー!!」 出番がやってきたのは七回だ。1―1に追い付き、なお2死一、三塁で2番手・徳山の149キロ直球を振り抜いた。赤く染まった右翼席へ1号3ランをほうり込むと、3万1541人の観衆が熱狂した。 松山の前の打席では野間が激走で二ゴロ併殺を阻止して1点をもぎ取った。チームは1日の阪神戦の七回以来、21イニングぶりの得点。さらに4番・堂林に代打を送って畳みかけた新井監督は「松山さん、素晴らしいホームランでした」と〝さん〟付けで絶賛した。 天国と地獄が紙一重の代打稼業。前日3日には2点を追う八回1死二、三塁で出番が回ってきたが一飛に終わり、チームは零封負け。午後11時頃に寝床に入ったが、寝つきが悪く、夜中に何度も目覚め、気付けば午前7時…。体調は良くなかったが、2022年9月以来の本塁打に「寝不足の方がいいのかな」と頭をかいた。 「去年は(本塁打)0だったが、(体重100キロ超の)見た目通りの打撃ができた。最高に気持ち良かった」 チームは1分けを挟んだ連敗を2で止め、勝率5割復帰まであと1勝に迫った。オリックスへFA移籍した西川が抜けた打線は貧打解消が急務。16―18年のリーグ3連覇を知る38歳のチーム最年長が、いぶし銀のバットで悩める打線を救う。(柏村翔)