【まるで宙に浮かぶ家!?】 ハンモックに組み合わせて冬を快適に楽しむ “あるモノ” とは
山でハンモックを楽しむには、「寒さ対策」が欠かせない季節になりました。 暖かい時期は身軽にハンモックで出かけられたのに、冬は防寒のためにあれこれ道具を用意しなければならず、気付けばバックパックが荷物でパンパンなんてことも……。 ■【画像】「ハンモックがすっぽり!」気になる室内の様子を覗いてみよう そこで今回はシンプルに効果的な冷え対策ができる、少し変わった方法をご紹介します。
■外気を遮る個室があれば寒さは和らぐ
冬に山で暖かく過ごすコツのひとつに、「居住空間をなるべく小さく仕切る」という方法があります。 冷たい外気を遮断できる最低限の空間(例えば一人用テントの中のような空間)を作れば、貴重な熱源でもある自分の体温が無駄に放出されるのを防げます。「広いテントが冬に寒い」のは、熱を留めておく空間が広すぎることによって起きる現象です。もし自分の体温をなるべく無駄に放出しない広さの「個室」が作れれば、防寒具も最低限に抑えることができます。
■ハンモックでもっと簡単に暖かい個室を作れないか
冬にハンモックで個室を作るのに一般的なのは、ハンモックのまわりをぐるっと覆えるウィンタータープを使う方法です。風をしっかりと遮り、外気も遮断できるウィンタータープなら、冬の寒さを和らげてくれるのは間違いありません。 しかし、ほとんどのウィンタータープは、ひとりで過ごすには空間がやや大きすぎ(ゆとりを持ってシェルター内で煮炊きをするには必要な大きさ)たり、ペグダウンの数が多いせいで設営に手間がかかったりといった弱点もあります。 「もっとミニマルで設営の簡単なハンモックのシェルターはないものか」と考えていたときに私の目に留まったのが、ハンモックとはなんの繋がりもない筒状のグループシェルター「ファイントラック/チューブツェルト(現在はメーカー廃盤)」でした。
■チューブツェルトって、どんなもの?
ファイントラックのチューブツェルトは、もともとグループ山行における軽量シェルター、あるいは山岳ガイドの緊急避難用として作られたものです。 筒状の布を両端のコードで絞って使うシンプルな構造にも関わらず、細かいところまで考え抜かれた素晴らしいシェルターといえるチューブツェルトですが、あまりにニッチな製品のためか、残念ながらメーカーでは廃盤となってしまいました。 これに似た製品がモンベルでも販売されていました(製品名「はマルチチューブシェルター」)が、こちらもすでに廃盤のようです。 まだ現行品として販売されていた2018年にメーカーHPでチューブツェルトを見つけるなり、「ハンモックに組み合わせたら絶対面白いぞ!」と感じた私は、すぐに取り寄せて実験を試みました。手持ちのハンモックに被せて使うために、少しだけ手を加えてみた(ガイラインを工夫したくらい、本体を切ったり縫ったりの大掛かりな改造はナシ)ところ、まるでハンモック用に作れられているのではないかと思えるほど完璧なフィット感に興奮してしまいました。