あの日の悲しみ、二度と 「集団自決」から79年 沖縄・渡嘉敷で慰霊祭
【渡嘉敷】沖縄戦当時、渡嘉敷村で「集団自決」(強制集団死)が起きてから79年を迎えた28日、村渡嘉敷の白玉之塔で村主催の慰霊祭が催され、遺族や村民ら約70人が参列した。遺族らは、白玉之塔に刻まれた家族や友人らの名を呼んで指でなぞり、鎮魂を祈って手を合わせた。 【写真】戦争生き抜いた人たちがいて、自分がいる “ヒップホップクイーン”Awichがつなぐ「沖縄の心」
1945年3月27日、米軍が渡嘉敷島に上陸。住民らは日本軍の命令で島の北側にある北山(にしやま)に集められるが行き場を失い、翌28日、当時の村民の約4割に当たる330人が手りゅう弾などで命を絶った。 村が51年に建立した白玉之塔は、「集団自決」の犠牲者を含む住民や日本軍人、防衛隊、韓国・朝鮮人ら約600人の戦没者を追悼している。 式辞で新里武広村長は「尊い命が悲惨な形で失われたことは、忘れることのできない深い悲しみだ。誰もが心豊かに平和で暮らせる世の中の実現へ、恒久平和の誓いを発信していく」と述べた。 渡嘉敷中1年の生徒(13)が自作の詩を朗読。「争いごとをなくすために 自分と違った人を理解しよう その第一歩として隣の人のことを考えてみよう 二度とあの日の悲しみを繰り返さないために」と力強く平和のメッセージを伝えた。 (岩切美穂)
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