「眺める」「孫にあげる」 新紙幣求め銀行に行列 栃木県内、整理券配布も
「しばらく眺める」「孫にあげたい」。新紙幣が発行された3日、栃木県内の金融機関でいち早く入手した人たちは、口々に歓喜の声を上げた。1千万円分など高額の両替をする人もいた。20年ぶりの新紙幣。実際に使えるのか、記者も入手し、飲食店などで試してみた。 宇都宮市桜4丁目の足利銀行本店では、朝から多くの人が店舗前で待ちわび、午前10時半までに約50枚の整理券が配布された。 一番乗りの群馬県みどり市、林利一(はやしとしかず)さん(72)は午前6時半に家を出たといい、「すぐには使わずしばらく眺めて楽しむ」と喜んだ。宇都宮市、50代男性は「孫にあげたり、記念に飾ったりしたい」と笑顔を見せた。縁起がいいからと、1千万円分を手にする人もいた。 同市、栃木銀行鶴田支店では午後2時から対応が始まった。混雑の中、記者も両替をしてみた。まず両替票に氏名や住所を記入。同行に口座があると10枚までは無料で、1万円札2枚、5千円札3枚、千円札5枚を替えることにした。 待つこと数分。行員から呼ばれ、新札を受け取った。大きな洋数字や虹色に光るホログラムが目を引く。曲げないよう長財布にしまった。 近くのドラッグストアで日用品を買い、新千円札を差し出すと、女性店員が「初めて見た。幸運が来そう」と笑顔を見せた。 続いてカフェでアイスコーヒーを購入。女性店員は、別の店員や居合わせた客に見せて喜んだ。更新したばかりのレジに初投入し、「無事に精算できました」と小さく拍手した。 新紙幣に対応するためには自動精算機などの更新の必要が生じ、間に合っていない事業者も少なくない。新紙幣の浸透には、もう少し時間がかかりそうだ。