【第9回ふくしま産業賞 特別賞】エヌ・ティー・エス(石川) 3D技術で金属造形
金属3Dプリンターによる高い造形技術力を持つ。従来の切削技術や鋳造技術と比べて、薄く複雑な形状の製品を製造できる。自動車産業や航空・宇宙産業に関わる部品を試作でき、関連業界から需要がある。 3次元設計ソフト「3DCAD(キャド)」を基に、金属粉末を使って形をつくる。薄く敷かれた粉末をレーザーで溶かしながら固める。この工程を繰り返し、層を重ねながら3次元の製品を完成させる仕組みだ。細かく、複雑な部分でも正確に形をつくり出すのが可能。強度や耐久性に優れた金属部品を軽量化させる新しい技術だ。 従来の切削加工による製品づくりと比べると、金属くずの排出量を軽減できるのも特徴だ。切削加工の作業中に出る削りくずは廃棄されていた。金属3Dプリンターの場合、レーザーで照射されなかった粉末は回収し、再利用できる。コスト削減につながる。 最新の3Dプリンター技術に加え、創業時から磨いてきた高い切削加工技術も持つ。生田目政広社長(51)は丈夫で軽い部品づくりを常に目指し、事業を拡大してきた。「最先端のものづくりに挑戦する。福島から良質な部品を世界に供給する」と語った。
■メモ ▽設 立=1970(昭和45)年 ▽社 長=生田目政広 ▽従業員数=59人 ▽住 所=石川町沢井字藤沢95の18 ▽電話番号=0247(57)8777