マジンガーZ、ライディーン、コン・バトラーV 亡き妻に導かれ、巨大ロボット描く ロボット大好き
大人から子供まで楽しめる展覧会『日本の巨大ロボット群像-鉄人28号、ガンダム、ロボットアニメの浪漫-』が6日、京都文化博物館で開幕する。そこで、展覧会を支える〝超マニアック〟な3人をご紹介しよう。1人目は「透視図解」などで有名なメカニックデザイナーの宮武一貴氏(74)。今回は縦約3メートル、横約6メートルの巨大ロボット絵画に挑戦した。「亡くなった妻の言葉に導かれて…」という。そこには不思議な物語があった。 【画像】宮武一貴さんの「マジンガーZ内部図解」。内部の詳細な透視図が目を引く ■なるほど! 宮武さん なぜ、あそこまでリアルで精巧な「透視図解」が描けるのだろう。宮武氏は「大学時代、植物学者になろうと顕微鏡図ばかり描いていましたから」と笑う。 東京農工大出身。第1希望は東京教育大(現・筑波大)だった。「1度目は失敗。1浪して受験しようと思っていたら、学生運動が激しくなって入試が中止になったんです。教師になるのはあきらめました」 昭和44年のこと。余談だがテレビでおなじみのジャーナリスト・池上彰氏も東京教育大受験をあきらめ、慶応大に進学した。でも、そのおかげで…。人生の不思議である。 「マジンガーZ」 「勇者ライディーン」 「超電磁ロボ コン・バトラーV」 壁いっぱいに描かれた3体の巨大ロボット。1970年代を代表するロボットたちだ。イラストでもセル画でもない、絵の具を使って描き上げたまさに「絵画」である。描いたのがメカニックデザイナーの宮武氏というから驚き。 「いや、ボクも驚いています。イラストレーターですから、キャンバスに描いたのは生まれて初めて。しかもこんなに巨大なロボット」。この展覧会のため依頼されて描き下ろしたもの。「デッカイ以上のものにしたくてね。お客さまが、絵の前を動いて、歩いて、視点を移動させて感動を呼べる作品にしました」 宮武さんによれば知人の塗装業の上村康司さんが作った、見る角度によって反射が変わる「超偏光塗料」を使用。下書きは黒ペンで描き残したまま。白い絵の具は使わずになんと修正液。まさにイラストレーターが自由に描いた作品だ。でも、どうして宮武氏はこんな絵画に挑戦したのだろう。 「実はね、3年前に火事で死なせてしまった妻の言葉なんです」