【90年代りぼん】の編集者・トミー登場!あの頃の裏話、聞かせてください(前編)
’90年代『りぼん』の読者ページ “くねくね横丁”から、編集者トミー登場! 一緒に懐キュンしませんか?
連載2回目にして、早速会いたい人を招いてインタビュー。 ’90年代の『りぼん』で多数の連載を抱えていた“編集者・トミー”に、人気作品の制作秘話や当時の編集部の様子、読者ページの裏話を聞きました。 やまみ(以下や) お久しぶりです! お会いするといつも子どもの頃の思い出がよみがえって、“くね横”のトミーさんだ!と不思議な気持ちに。LEE読者の方々の中にも「りぼん&くね横、読んでました」という方、きっといらっしゃると思います。 トミー(以下ト) ありがたいことに、当時のりぼん読者が大人になり、仕事でご一緒する機会もあったりするんです。「くね横にハガキを出していました!」と声をかけられて、うれしいやら恥ずかしいやら……。入社して1ヶ月で読者ページ(くねくね横丁)の担当になって、上司に提出する教習日誌と並行して作業していたんですよ。初めて担当した作品は、連載途中から引き継いだ大塚由美さんの『ピースな奴ら』でした。 や 入社して1ヶ月でもう読者ページを⁉ 『ピースな奴ら』、もちろん覚えています! 剣道の達人で気の強い女の子が、憧れの先輩の前ではしおらしくなっちゃうんですよね。そこに謎の男の子が転校してきて……懐かしい! トミーさんは、小花美穂先生の『こどものおもちゃ』を立ち上げから担当されていたとのこと。学級崩壊を主導する羽山秋人と、更生させようと奮闘する主人公・倉田紗南を中心に、家族愛や絆、恋と友情、少年犯罪など人間模様を描いた名作です。当時も夢中で読んでいましたが、大人になった今読み返しても、笑って泣けて最高! 特に辛い展開が続く中でお互いの絆がより深まっていく後半は、何度も読む手を止めて涙を拭いました。 ト 僕が新人の頃のりぼんには、大人気作品の『天使なんかじゃない』『ママレード・ボーイ』『姫ちゃんのリボン』があって。自分の担当作がアンケートで1位を取ることなんてあるのかなと思っていたのですが、小花さんと『こどものおもちゃ』を立ち上げ、連載5回目で1位に。今でも覚えていますが、熱を出した羽山がお父さんにかつがれて帰る回ですね。おもしろいと自信はありましたが、あの時はうれしかったです。ただ、当時「中学生編」までは考えていなかった。どうやら人気が出てきた、それなら連載を延ばしていきましょう、さらにアニメ化も決まりそうだ、さてどうしましょう、なんて2人で話していたんですよ。 や 今思うと、内容が本当に大人っぽくて深い。小学生の私、ちゃんと理解していたのかな(笑)。でも心が柔らかで成長過程にあったあの頃に『こどちゃ』を、『りぼん』を読んでいたことが、今の自分のベースとなっていることは間違いないと思います。