「投資を始めたいけど絶対に損をしたくない」と思っているあなたは、リスクの意味を勘違いしている!?
いよいよ、2024年から新しいNISAが始まります。2023年10月頃から、多くのメディアや金融機関などを通じ、新NISAに関する情報を目にする機会が増えました。 そのようななか、「私も投資を始めたいです。でも、絶対に損をしたくありません」という相談がありました。気持ちは分かりますが、このようなことを言われると「リスクの意味を理解してから投資を始めたほうがいいのではないか」と思ってしまいます。 そこで今回は、投資におけるリスクについてどのように解釈すればいいか、長年の投資経験も踏まえて説明します。
投資はリスクを取りにいくことが求められる
投資の世界では、リスクは不確実性を意味します。リスクについて危険という意味で解釈してしまうと、「投資にはリスクがある」=「投資は危険」となり、投資は損をするものと思ってしまいます。 ここに普段の会話と投資の世界で使う言葉のギャップが存在するわけですが、投資におけるリスク(不確実性)は「不確実なこと」=「確かではないこと」となるため、損失が出ることもあるかもしれないが、利益が出て得することもあるかもしれないと理解しておく必要があります。 つまり、このような「不確実性に向き合うこと」=「リスクを取りにいくこと」が投資にとって必要な姿勢といえます。
「絶対に損をしたくない」は「確実にもうけたい」という意味
投資で絶対に損をしたくないというのは、裏を返せば確実にもうけたいという意味にもなり、0か100かの話になってしまいます。 仮に、確実にもうけたいのであれば、安全性の高い預貯金でお金を貯めるのが適切な方法といえます。ただし、日本の場合は預金金利が非常に低いので、投資のように利益を出して資産を増やしていくことはほぼできません。 「それなら、日本よりも金利が高い国の通貨で預金すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、外貨預金の場合、日本円から対象国の通貨に換金する必要があるため、為替変動のリスクが生じます。必ず利益を出したい場合、為替のリスクは取るべきではないでしょう。 このようなことから、投資の世界では確実にもうけることは不可能で、絶対に損をしたくないという望みを実現するのは非常に難しいといえます。