中国の台湾政策担当トップ、漁船転覆事故受け「決して容赦しない」 台湾与党に圧力強める姿勢示す
中国政府の台湾政策担当のトップが先月29日、台湾が実効支配する金門島付近で当局の追跡を受けていた中国漁船が転覆した事故について「決して容赦しない」と述べ、台湾の与党に対し、圧力を強める姿勢を示しました。 中国中央テレビによりますと、中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室のトップ・宋濤主任が先月29日、中国を訪れている台湾の最大野党・国民党の夏立言副主席と会談しました。 会談で宋主任は、違法操業の疑いで台湾当局から追跡されていた中国の漁船が転覆し2人が死亡した事故を受け、「台湾の民進党政権が中国の漁民の生命と財産の安全を無視した悪質な行為を決して容赦しない」などと述べ、台湾への圧力を強める姿勢を示しました。 一方、国民党の夏副主席は、「民進党政権を監督し、事実を早急に明らかにするよう促す」などと応じました。 中国は、5月に就任する民進党の頼清徳次期総統を「台湾独立勢力」とみなし対話に応じていません。 会談の様子を公開することで、中国に融和的な姿勢を示す国民党と、政権を担う民進党の待遇に差をつけ、台湾世論に揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。