子どもの脳、十分に育ってる? 脳を育てるために、親が子どもに「スマホ」より与えるべきもの
脳を刺激する情報は五感から
からだの脳を育てる刺激は、すべて五感から入ります。電子機器の使用で視覚ばかりを刺激しないよう、バランスよく五感を刺激しましょう。 なかでもとくに大切なのは、昼は明るく夜は暗いという太陽の光による視覚刺激です。この刺激が入ってこそ、眠る・目が覚めることが安定してきます。 太陽の光の刺激は、早寝早起きで、毎日規則正しく与えるようにします。朝はカーテンを開けて、太陽の光を浴びましょう。 できれば5歳までに、さまざまな刺激を与えたいのですが、何歳になっても五感を刺激することで、からだの脳を育て直すことはできます。ただし、電子機器などのバーチャルな刺激ではなく、実体験にともなう刺激が必要です。 ■五感とは 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、皮膚感覚の5つの感覚のこと。脳の中では、神経を通じて、それぞれの感覚を得ます。 ■五感の鍛え直しをしてみよう 強い刺激を与えると、ほかの感覚が乏しくなります。例えば、食事中にテレビをつけると、脳は光と音の刺激でいっぱいになり、ごはんの味やにおいを感じられなくなります。五感を鍛えるには、さまざまな刺激をまんべんなく与えましょう。 ★基本! 食事中はテレビをつけない (1)マッサージ 疲れていなくても手足のマッサージを。頭をもむだけでもOK (2)スキンシップ ギューッとハグするのもいいし、出かける前のハイタッチでもかまわない (3)うす味 うまみなど微妙な味を感じられるように、甘みや塩味は薄めに (4)日光浴 太陽の光の明るさ、暗さ、暖かさを感じる (5)食品を変える いつも同じ味の食事にならないよう、献立を変えたり、食品を変えたりする (6)ハイキング 歩いてお弁当を食べれば、五感のすべてを刺激できる
成田 奈緒子(発達脳科学者)