子どもの「脳が成長しやすい環境」を作るための3つの鉄則
塾に通わなければ学力は上がらないと思い込んでいませんか? 子どもに寄り添い、環境をしっかり整えてあげることで、おうち学習でも塾を超える効果を出すことが出来るのです。本稿では環境の整え方を陰山英男さんが紹介します。 【データ】東大生の幼少期の習い事、1位が水泳、3位が野球。では2位は…? ※本稿は、陰山英男著「陰山流 新・おうち学習戦略」(Gakken)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
おうち学習で学力は十分伸びる!
・環境を整えて脳を鍛える 多くの人は子どものかしこさを表す知能指数が生まれつき変わらないものと思っているようです。しかし現在は、成長と共に上がったり、下がったりするものであることがわかっています。特に成長期には脳の構造が変化していくので、知能指数も大きく伸ばせるのです。 つまり、「生まれつき頭が悪い」などと決めつけてはいけないということです。 さらに、読み書き計算の実践で脳を鍛えると、知能指数も上昇することがわかりました。加えて、脳が成長しやすい環境を整えることで、飛躍的に伸びていきます。 私が指導に関わった山口県の山陽小野田市は、市が学力向上に力を入れています。読み書き計算の反復練習を行い、脳に良い生活改善も行いました。すると、9か月で知能指数の平均値が9ポイント上昇したという結果が出ています。算数の偏差値は平均で4.5ポイント伸びていました。 おうちが塾を超えられると言える理由は3つあります。 まず1つ目が、塾と違って、おうちでは「生活環境から脳に働きかける」ことができるからです。 2つ目は、「わが子に合う学習計画を立てる」ことができるからです。 3つ目は、必要な教材は通販ですぐ買え、その使い方はSNSで知ることができるということです。 本稿では、主に子どもを取り巻く環境を整える方法についてご紹介しましょう。
環境づくりの鉄則その① おうち学習計画を立てる
【子どもに合わせた計画を練る】 学校のカリキュラムは、文部科学省が定めた「学習指導要領」という基準に基づいて、地域や学校の実態に合わせて作られます。学習指導要領は、全国どの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするための基準です。 この手法を、おうち学習にも生かして、「おうち学習指導要領」と呼べるものを作りましょう。もっとわかりやすくいえば、おうちの学習計画です。できれば1年ぐらいを見通して計画を立てるようにします。年間計画です。 年間計画を作る際に最も大切なのは、わが子に合わせたものにすること。おうち学習は、親と子のマンツーマンです。そこにいるのは兄弟も合わせて家族だけ。 だから、今どういう状況なのか、どこかつまずいているところはあるか、どれぐらい進んで(遅れて)いるか、得意なもの、不得意なものなど、自分の子どもに合わせた学習計画が立てられるわけです。そこに、おうちが塾を超える可能性があります。 親は自分の子のことになると冷静さを失うことがありますが、焦りは禁物です。バランス良く、ゆとりをもちながら将来をイメージしつつ、子どもの「今」に合わせた計画にするようにします。