車両生産で相互乗り入れ検討 ホンダ、日産にHV供給も
ホンダと日産自動車の経営統合協議で、互いの工場で車両を生産する相互乗り入れを検討することが21日、分かった。米国で売れ筋車種を欠く日産にホンダがハイブリッド車(HV)を供給する案も検討。統合すれば世界3位となる巨大連合のメリットを収益力強化に生かす狙いがある。両社は幅広い分野で協業に踏み込む構えだが、ホンダは統合の条件として日産に業績のV字回復を求めている。 【写真】ホンダ「庶民の足」、生産終了へ
ホンダと日産は23日にも統合協議入りを発表。世界の自動車産業は関税強化を唱えるトランプ氏の米大統領返り咲きに身構えている。国際的な生産体制の見直しを迫られる恐れがあり、ホンダと日産は生産効率化を喫緊の課題と位置付ける。ホンダは欧州にエンジンや二輪車の工場しかなく、日産が英国に持つ四輪工場を活用することなどが想定される。 日産は2025年3月期の連結営業利益が前期比73.6%減の1500億円まで落ち込む見込みだ。主力の米国市場で人気のHVを欠いたのが主因。技術に強みを持つ電気自動車(EV)は充電設備の少なさなどから需要が失速している。