〈高配当株投資〉業績悪化・無配転落…そんな“最悪期”こそ「お宝ポジションの芽」を見つける絶好のチャンスと捉えるべき理由【2万人を指導した投資研究家が解説】
最悪期の中にお宝ポジションの芽がある
企業の業績が悪化したり、配当を出していた銘柄が無配に転落しても、必ずしも悲観する必要はありません。実は、そういった時に大きな投資チャンスが隠れていることがあります。悪材料に満ちた中で、株価はなぜかスルスルと上昇することがしばしばあるからです。 たとえば、日本製紙(3863)は近年、物価上昇や販売不振により業績が低下傾向にありました。2022年8月の決算では、長年続けてきた配当が無配に、最終利益も4年ぶりの赤字に転落しました。この決算発表直後、大陰線が出現し出来高が急増しているため、一見すると前述した暴落パターンに当てはまっています。 しかし、その後2023年にかけて、株価は10月の安値から翌23年9月まで約70%上昇し、5字回復しました。日本製紙の株価を長期的に見ると、業績停滞の懸念から株価は下落していましたが、配当のカットが最悪の材料出尽くしとなり、そこから株価が反発したのです。 このように、企業としては一見悪い出来事であっても、株価反発の起点になるのです。赤字転落やリストラ、事業の縮小なども同様です。 ここで重要なのは、いずれの出来事も株主にとっては「利益を残しやすくする施策」であるということです。一般的な目線だとネガティブに見えても、投資家の視点からすると、これらは実はチャンスであるとも言えます。 たとえば、日本電気硝子(5214)も2023年上半期で赤字に転落しましたが、同時にコストカットも進め、株価は反比例するかのように上昇し、2024年を見ると1.5倍近くに上昇しています。悪い材料があるからといって過剰に心配することなく、むしろその中にチャンスがないかを考えてみてください。 以上のことからも、状況が悪い時こそ前向きに、良い材料がないか、これ以上悪化することはないか、株価が実はひっそりと上昇していないかを考えると、千載一遇のチャンスに遭遇する可能性が高まります。 児玉一希 株式会社RES 代表取締役 ※本記事は『高配当10倍株投資 「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
児玉 一希