エルニーニョ／ラニーニャ現象の経過と予測。出典：気象庁HP

　気象庁は9日（金）、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年（2023年）春からエルニーニョ現象が続いている。今後、春の終わりにかけてエルニーニョ現象が続く可能性もある（40％）が、平常の状態になる可能性の方がより高い（60％）。夏は平常の状態である可能性が高い（70％）。

エルニーニョ／ラニーニャ現象の発生確率 出典＝気象庁HP。

　1月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+2.2℃で、基準値より高い値だった。8月に+2.2℃となって以来ほぼ同じ値が続き、海洋はエルニーニョ現象時の特徴を示している。 　大気海洋結合モデルは、太平洋赤道域の西部から中部の冷水の東進に伴い、エルニーニョ監視海域の海面水温が、春の終わりにかけて次第に下降し、基準値に近づくと予測している。以上から、今後、春の終わりにかけてエルニーニョ現象が続く可能性もある（40％）が、平常の状態になる可能性の方がより高い（60％）。夏は平常の状態である可能性が高い（70％）と予測している。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

　エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。