資産1.8億投資家が伝授「日本の優良企業100選」 「世界シェア1位」鳥取県のニッチ企業とは?
売上高はコロナ禍の影響を受けて減少した時期もありましたが、長期的には増加傾向です。経常利益も減少した時期はあるものの、長い目で見れば右肩上がりと言えるでしょう。 利益率は業績が悪化した時期にも15%以上を確保しており、競争力を有することの証左となっています。配当金は、過去には減配を余儀なくされたこともありましたが、全体としては増加傾向です。 自己資本比率は80%以上で推移しており、極めて健全な財務基盤を有しています。自己資本利益率は低い水準が続いていましたが、最近は改善傾向です。
営業キャッシュ・フローはプラスで推移しており問題ありません。手元キャッシュは減少傾向ですが、自社株買いによりキャッシュアウトしたことが要因。 とは言え、事業規模に対し手元キャッシュは十分に確保されており、事業継続に何ら不安はないでしょう。 日本セラミックの経営方針には、「日本セラミックは、センサで人類、地球に貢献します」とあります。 ■ナンバーワン、オンリーワンを目指す「集中戦略」 この方針を実現するための政策の中には「当社が世界的にトップシェアの位置にあるセンサ分野では、更なるシェアの向上と新しい用途開発を強力に推進していく」や、「現在当社が生産しているセンサ製品などを最大限利用した人々に優しい、便利で安全、且つ、親切な製品の開発を進める」など、強みであるセンサ事業に経営資源を集中させて、さらなる成長を目指していることがうかがい知れます。
このように、特定の顧客・製品群・地域など、特定の分野へ企業の経営資源を集中し、その分野でナンバーワン、オンリーワンを目指す戦略を「集中戦略」と呼びます。 競争戦略に関する研究の第一人者として知られているハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、その著書『競争の戦略』の中で、企業が長期的に防衛可能な地位をつくり競争相手に打ち勝つための3つの基本戦略(1.コスト・リーダーシップ戦略、2.差別化戦略、3.集中戦略)があるとしています(下図)。