長野市権堂エリアに新たな風を 昭和レトロなホテルオープン 宿を介して人の流れを・・・
テレビ信州
長野市中心部の権堂アーケード近くに11月、素泊まりのホテルがオープンしました。元旅館を改装し、昭和レトロな雰囲気が漂う内装が特色です。県内随一の繁華街に開業したそのワケとは? ドアを開けると広がるのは、どこか懐かしい和室の空間。今月2日、長野市権堂町に新たなホテルが開業しました。 場所は権堂アーケードのすぐ近く。細い裏路地を140メートルほど進むと…。見えてきたのはレトロな建物です。「宿屋GONDO aioi」。築64年の元旅館で7~8年ほど空き家の状態だった建物を改修し、ホテルとしてオープンしました。部屋はツインの和室が6部屋と4人部屋が2部屋。1階は広々とした共有スペースになっています。かつての雰囲気を感じてもらおうと、窓ガラスなど当時のものをできる限り残しています。 Go and Do笹川亮さん 「このガラスを通して入ってくる光も、普通に透明のガラスとは違う柔らかみというか温かみがあるというか、昔おじいちゃんちに来た時の懐かしさを感じますとかそういうことを言っていただけると、すごく権堂の街の良さがこの宿屋を通して少しでも感じていただければなと思って」 ホテルを立ち上げた企業の代表者の一人、新潟県上越市出身の笹川亮さんです。 開業のきっかけは、長野市が県外に住む人を対象に開いた起業プログラムの中で、権堂アーケードにホテルを立ち上げるプロジェクトに参加したことです。 かつては長野県随一の繁華街としてにぎわった権堂商店街。1998年の長野オリンピック以降の景気の低迷や新型コロナの感染拡大のあおりを受けて近年、人の流れが減りつつあります。一方で、その雰囲気を魅力に捉え、再びにぎわいを取り戻そうとこのホテルプロジェクトが立ち上がりました。 ホテルは素泊まりのみで、食事は周辺の飲食店の利用を促します。宿を介して人の流れを生むことが狙いです。 笹川亮さん 「やっぱりアーケードって住んでいる方たちが本当に生活の一部として成り立っていくものだと思うので、われわれの宿ができることによってきっかけになればいいんじゃないかなって」 今回、宿の開業にあたり、地元の信用金庫が支援を行いました。2018年から、長野市の中心市街地や善光寺周辺でリノベーションを伴う事業に投資を行っていて、エリアのにぎわい創出に期待を寄せています。 長野信用金庫 市川公一理事長 「空き店舗とか空き家とか少しずつ見え始めていて、せっかくの地域資源ですのでそれをまた活用できるような手法がないかなと。新たな目線で宿泊施設をつくると、しかもそれが泊食分離という形態で行うということで周辺の飲食店の人たちにも波及効果があるのではないかなと」 権堂エリアに新たな風を吹き込むため―。笹川さんの会社では、今後2店舗目の開業も計画しています。 笹川亮さん 「いろんなタイプの宿をこのアーケード内で泊まれるホテルをつくっていけば、それでもいろんな楽しみ方できるのかなと考えていますので。なるべく人が流れるように、人がたくさんそこでいろんな体験ができるように、ほんの少しでもきっかけになればいいかなと思っています」