“パンツ高木”元大臣が手元でこっそり開いた白いもの 政治資金パーティーは止まらない
委員会中にもかかわらず“政治資金パーティー”案内状を吟味
6月3日の衆院・決算行政監視委員会。一連の裏金問題の処分で、今は半年間の「党員資格停止」の状態にある“パンツ高木”のニックネームを持つ高木毅代議士(68)の手元には一通の白い封筒が。 【写真をみる】後ろめたいのにお金は欲しいの? “政治資金パーティー”開催の田畑議員の「姑息過ぎる行動」
ニックネームはさておき、彼はこれまで復興大臣、国対委員長、安倍派事務総長と重責を担ってきた重要人物である。 悠然と席に着いた高木氏は封書を開け、おもむろに中身を改め始めた。送り主は「たばた裕明君を育てる会 2024」となっている。同僚、田畑裕明代議士(51)を囲む政治資金パーティーの案内状だ。 しばし書状を吟味する高木氏。この時の心中など知る由もないが、議事に関係ないものを委員会に持ち込むことは固く禁じられていることを念頭におきつつ、3月1日に開かれた政治倫理審査会での彼を振り返ってみよう。 「政治資金を巡る問題により国民の皆様に多大なる政治不信を招いたこと、心よりおわび申し上げます」。 このように述べて深々と頭を下げたものである。
「案内状を一部にしか渡していない」 田畑議員の“姑息な行動”
政倫審の対象は派閥パーティー収入のキックバックであった。だが以降、政治家個人のパーティーの扱いを巡っては“政局”となり、政治資金規正法の改正案では岸田総理が公明案を丸のみ。しかもこの間に行われた選挙で自民党は連戦連敗。 普通ならば当分様子見してパーティー開催を見合わせるくらいはしそうなものだが、そう簡単にやめられるものではないのだろう。そこまで必要なものならば、堂々とその大切さを世に問うてもいいはずなのだが……。 党関係者は言う。 「田畑さんだけじゃなく、他にもパーティーを開く議員はいますよ。ただ姑息なのは多くの人が案内状を一部にしか渡していないということ。いつもなら同僚議員にも配るのですが、今回は支援者を除けば幹部だけみたいなんです」 なお、田畑氏の場合は、案内状に「ご出席」「ご欠席」とは別に、「ご入金のみ」の項目が設定されている。蛇足ながら、「入金のみ」は「寄付」にあたるため、これをもしパーティー収入にカウントすれば政治資金規正法に抵触する恐れがある点は指摘しておこう。 この真意について田畑氏からの回答はなく、高木氏の事務所も「何か言う立場にありません。参加するかどうかも分かりません」と木で鼻をくくったような対応だった。
撮影・福田正紀 「週刊新潮」2024年6月13日号 掲載
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