3度め逮捕の羽賀研二容疑者、捜査関係者も「稚拙すぎる」とあきれる手口 すべての始まりは「4億円賠償」最初の逮捕
「神はいないと思うけど、先祖は見ているよ」 2022年3月、出所後半年を迎えた羽賀研二(本名・當眞美喜男)容疑者を、本誌は沖縄で取材。冒頭の言葉は、取材当時、彼が本誌に語った、なんともとらえどころのない言葉だ。9月25日、羽賀容疑者は愛知県警に強制執行妨害などの疑いで逮捕された。これで3度めの逮捕となった。今回の逮捕を紐とくと、彼の貧相な一面が垣間見える。 【写真あり】羽賀研二とともに逮捕…司法書士の“コスプレ写真” 「羽賀容疑者は、2001年の最初の逮捕に絡み、4億円の賠償を裁判所に命じられています。ですが、その莫大な金額の支払いを回避するため、不当に自分の財産を守ろうとした結果、さらに2度にわたり逮捕されることになっているんです。すべては、最初の逮捕に納得がいっていないという彼の心情が原因だとみられています」(社会部記者) 羽賀容疑者は2001年、医療関連会社の未公開株を、元値の3倍である1株120万円という価格で知人の不動産会社社長に売り、3億7000万円を手にした。ところがその医療関連会社が経営破綻していたことで、不動産会社社長は、すでに融資していた3000万円と合わせ4億円の返済を求めた。羽賀容疑者はこれに絡み、詐欺と恐喝未遂容疑で逮捕された。 2022年の取材時、羽賀容疑者は裁判についてこう話していた。 「裁判では一審で無罪だったんですよ。これは、だてに無罪じゃない。僕は人に恨まれる生き方はしたくないけど、裁判は言い訳ばかりで裁かれてしまった。株を買ってしまったのは僕ですが、だますつもりはなかった」 もっとも、一審で羽賀容疑者側に立って証言した人物が偽証罪に問われたことで、無罪判決は一転控訴審で有罪、さらに上告したが棄却された。 「知人の不動産会社社長にはご迷惑をかけたので、できる限りのことをしたい」 羽賀容疑者は取材にそう答えていた。民事裁判でも4億円の支払い命令を出された。だが、そこから羽賀容疑者は、自分が所有している不動産を、財産分与という形で元妻に譲渡していく。それが強制執行妨害罪に問われ、2回めの逮捕につながった。この元妻との関係について、羽賀容疑者は2022年、こう明かしていた。 「僕が沖縄の刑務所にいるときは、月に2回、妻と子ども2人の3人で面会に来てくれていた。2人の子どもにはごめんしか言えなかったけれど、それが僕の支えでした」 だが、出所すると「弁護士を通してしか妻に会えない。子どもにも会えていません」と明かしていた。毎月、面会に来ていた家族が突然、疎遠になったというのだ。 だが、羽賀容疑者を知るある芸能関係者は、これが「カムフラージュだった」と話す。 「2回めの逮捕のとき、妻も逮捕されましたが、不起訴処分になった。戸籍上は離婚しましたが、実際は仲がいいままでしたよ。つまり、財産を取られないために偽装離婚したわけです。しかしそれが裏目に出た」 今回は、羽賀容疑者が妻名義になっていた不動産を買い戻し、さらに自分の会社名義に戻していたことで、再び強制執行妨害に問われ逮捕された。ある捜査関係者は、彼の手口にあきれていた。 「一度、同じ容疑で逮捕されたのに、なぜまた同じ不動産の資産隠しで逮捕されたのか……。羽賀容疑者の手口は、稚拙としか言いようがありません」 というのも、こうした資産隠しをする“小悪党”は数多くいれど、自分の会社名義に戻すという手口は通常、使わないのだというのだ。捜査関係者が続ける。 「通常なら、自分とは関係のない会社に所有権を移したりしますよ。今回、彼が名義を移した会社は、彼が代表を務める会社です。そんな会社に買い戻すなんてバレバレの手口を使うとは、よほどあせっていたのか、知恵が回らなかったのか……。 今回、不動産を買い戻すために4億3000万円を借り入れていましたが、借入先は、羽賀容疑者と一緒に逮捕された、弘道会幹部の松山猛容疑者が関係する不動産会社だったといいます。まさか、こんな稚拙な手口で羽賀容疑者が逮捕されるとは思ってもみなかったようで、暴力団関係者は『羽賀にだまされた』と怒っているとの話も耳に入ってきました」 2022年の取材時には、「貯金が27万円で極貧生活を送っている」と話していた羽賀容疑者。その裏で、自らが持っていた不動産の保全を図っていたことになる。「迷惑をかけた人にはがんばる姿を見てほしい」と語っていた羽賀容疑者だが、少しずつでも返済することが、芸能界復帰へのいちばんの近道だったはず。その道も閉ざされてしまった。