外貨建て債券のメリットやリスクとは?
国内の国債や社債などの債券は、元々は安定した利回りが期待できる運用商品でした。しかし、近年の個人向け国債の利回りは1%未満になっており、運用対象としてはあまり魅力のない金融資産となっています。 そこで今回は、リスクはありますが、ある程度の運用利回りが得られる可能性もある外貨建ての債券について学んでみましょう。
外貨建て債券のメリット
国内債券である個人向け国債の利率は、2023年11月時点で、0.19%~0.60%となっており、国内債券市場には利回り1%以上の国内債券はありません。 そのため、債券投資をしてある程度のリターンを得ようとする場合は、外貨建て債券が選択肢の一つとなります。外貨建て債券のメリットは主に3つあります。 1)国内債券と比較して高い利回りの債券が多くあり、高いリターンが得られる可能性がある。 2)米国をはじめ超大国等の国債や世界的に知名度の高い会社の社債を持つことにより、金利や為替の動向を直接知れる。 3)円安時には為替利益を得られる。
外貨建て債券のリスク
一方で外貨建て債券はリスクが多いので、その内容についてよく知っておくことが不可欠です。 ◆為替リスク 外貨建て債券の円レート推移により、運用利回りを超える為替損が出る可能性があります。円安時には為替益が、円高時には為替損が出ることです。 ◆金利変動や政治状況による債券価格の下落 各国の金利は常に変動しており、金利の変化の大きなトレンドに入った場合は、それに伴って債券価格が大きく変動することがあります。 金利上昇→債券価格下落、金利下降→債券価格上昇です。2022年からの世界的な金利上昇過程では、債券価格の下落が起きています。また、戦争や紛争に巻き込まれた場合も、債券価格の下落を招くことが多く、これらはカントリーリスクと呼ばれています。 ◆信用リスク 債券は信用格付け機関によって格付けされます。各国の国債の場合は、全般的な国の状況(政治・経済・外交)によって、また民間企業の社債は、業績や経営環境の変化によって格付けが変更されますので、それに伴って債券価格が下落することがあります。 ◆流動性のリスク 債券の取引は、店頭(証券会社)取引がほとんどであり、売却希望時に買い手がなければ取引が成立しないことがあります。また、購入価格を下回った価格で売却せざるを得ないようなことがあります。