給付費1610万円不正受給か、福島・二本松の障害児通所施設 県が指定取り消し
福島県は22日、障害児通所給付費約1610万円を不正に受給したり、法律で決められた常勤の児童指導員を配置しなかったりしたとして、合同会社アピス(二本松市)が運営する同市の障害児向け通所施設「放課後等デイサービスみつばち」の指定を12月20日付で取り消すと発表した。指定取り消しは最も重い処分で県内初。処分は21日付。 県によると、決められた職員の配置や個別支援計画を作成していなかったが、同給付費を減算せずに請求したほか、職員の配置要件などを満たさずに加算分の給付費を請求し、2022年8月~24年8月に約1610万円を受け取った。サービス提供基準を満たしていなかったが、利用者から約30万円も受け取った。このほか職員の不適切な配置や、運営に関わる計画の未策定、県の監査に対する虚偽の報告、基準を満たしていないことを隠して不正に指定を受けていたという。 県が不正に関する情報を把握し、8月から事業者に対して聞き取りや立ち入りなどの監査を行い、不正行為を確認した。事業者は不正行為の事実を認めている。県は利用する児童が別の事業所などでサービスを受けられるよう、関係自治体と連携して対応するという。県は「総合的に考慮して指定取り消しとした。二度と同じような事案が発生しないようにし、全ての事業者で適切なサービスが提供できるようにする」(児童家庭課)とした。 合同会社アピスの代表社員は福島民友新聞社の取材に「開所した年(2022年)の8月末まで利用者がなく、規定する人員4人のうち児童指導員1人を配置できなかった」とした上で「経営が厳しく、常勤扱いとなる職員の勤務時間の週32時間をクリアすることができなかった。今回の処分については大変申し訳ない。今後は利用者に極力影響がないよう対応したい」と話した。
福島民友新聞