能登町・白丸郵便局を震災遺構に 4.93メートルの津波、看板検討
能登町は29日、元日の地震で損壊した同町白丸の白丸郵便局を、津波の脅威を伝える「震災遺構」として保存、活用する方針を決めた。未曽有の災害の記憶と教訓を次世代に継承して風化を防ぐ狙い。屋内外を見学できるようにするため、来年度以降に建物を改修する。 白丸郵便局は平屋建てで、1994年に改築された。元日は震度6強の揺れに加え、局舎前の海岸から押し寄せた津波で大きく壊れ、現在も業務を休止している。 町によると、土地と建物は所有者である同郵便局の大形格(おかたただす)局長から寄付を受ける。今年度はブルーシートを張るなどして建物を保全し、来年度以降に内部を修繕する。白丸は元日、最大で4・93メートルの津波に見舞われたため、津波の高さを示す看板の設置も検討する。 29日開かれた町議会に提出、可決された10月補正予算案に事業費100万円が盛り込まれた。東日本大震災や熊本地震の被災地では被災した庁舎や崩れた橋、割れた地面などが震災遺構として保存されている。