194キロ衝突死、遺族「未来を一瞬で奪った」「これほど理不尽なことがあっていいのか」…公判で意見陳述
大分市で2021年、時速194キロで乗用車を走行して右折車に衝突し、同市の会社員小柳憲さん(当時50歳)を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた元少年(23)の裁判員裁判の第6回公判が15日午前、大分地裁で始まった。被害者参加制度を利用した遺族の一人が「被害者の未来を一瞬で奪ったことを分かってほしい」と述べた。 【イラスト】事故状況のイメージ
検察側の論告に先立ち、小柳さんの2人の姉のうちの1人が意見陳述。小柳さんについて「穏やかで優しい性格だった」とし、「これほど理不尽なことがあっていいのか」と語った。検察側は論告で、路面には凹凸があり、「異常な高速度による揺れなどでハンドルやブレーキの操作を誤る恐れが高まった」などと主張した。
弁護側はこれまでの公判で危険運転致死については否認し、過失運転致死の適用を求めている。15日午後、検察側の求刑や弁護側の最終弁論を経て結審する見通し。
起訴状では、元少年は21年2月9日深夜、大分市の県道交差点で、制御困難な194キロで走行。右折を妨害する目的で進入して車に衝突し、小柳さんを死亡させたとしている。