球界大御所が、億プレーヤーの増殖に苦言。「球団が弱腰すぎる!」
プロ野球の12球団の契約更改が、ほぼ終了した。広島・黒田博樹の6億円+出来高が、球界最高年俸。65年ぶりに2人同時誕生となったトリプルスリーのヤクルト、山田哲人、ソフトバンクの柳田悠岐、投手3冠の日ハムの大谷翔平など、今オフに2億円以上の金額で契約を更改したプレーヤーが、セ、パ合わせて34人(うち7人は外国人選手)も誕生した。中日、横浜DeNAには、2億円以上プレーヤーは一人もいないが、1億円以上、2億円未満のプレーヤーも42人(うち9人が外国人)。つまりプロ野球全体の約9パーセントの選手が1億円以上をもらっていることになる。 一方、巨人の杉内俊哉の4億5000万円減俸などの大幅ダウンもあったが、今オフは“暖冬更改”の傾向が強く、年俸は全体的に右肩上がりだ。 巨人OBでヤクルト、西武で監督、ロッテではGMとして経営者側で仕事をした広岡達朗氏は、1億円以上をもらっている日本人プレーヤーが60人にも及ぶ状況をぶった斬った。 「明らかに払いすぎだ!球団が選手の言いなりになって金を払い、おだてているだけ。下交渉を行っているとは言えど、ほとんどが一発サインで終わっている。フロントの弱腰は自信がないからこうなる。プレーの質から言えば、今の選手にそこまでもらう価値はない。確かに昔に比べてパ・リーグの経営もよくなってきているが、セ、パ共に最下位チームのストッパーが、ポンと4000万円もアップするなど考えられない。チーム成績というものを査定にもっと反映すべきだし、ベースの金額は抑え、仕事をすればその分を支払うという、インセンティブ制度を上手く使うべきだ。選手を甘えさせてはロクなことはない」 今オフの契約更改で保留したのは、日本ハムの陽岱鋼、中日の平田良介、ソフトバンクの武田翔太の3人だけ。代理人交渉を行っている武田は越年するが、この保留者が絶滅していきた現象を広岡氏は、選手の聞き分けがよくなったのではなく、球団が大判振る舞いをしている結果だと見ている。